専門用語のカタカナは、みんなが理解して使ってるからええねん
日本語で抽象的な発言をしたら、より深い説明を求められます。新人社員の方なら経験したことがあるのではないでしょうか。「話がふんわりしているので、もっと具体的にしてくれないか」、と。しかし、同じことを横文字を使って発言すると、指摘されないことが多いのです。面白いと思いませんか!
横文字は、会話全体をわかった気にさせてしまう「魔法の言葉」だと思った方がいいでしょう。小さいえびに、衣が何倍もついている天ぷらのようなものです。
もともと横文字の多くは、日本語で正確に訳せない外国語がカタカナで使われることが多く、特に、専門用語の中によく見かけます。例えば法に関する言葉の「コンプライアンス」は社会規範・社会道徳、ステークホルダー(すべての利害関係者のこと。企業であれば、株主、消費者、従業員、地域住民、社会など企業活動を行なう上で関わる人や組織)の利益・要請に従うことなど、会社において適切な体制のもと実現するという意味です。
ここまで広い概念を持つ言葉は日本語にはありません。なので、そのままカタカナで「コンプライアンス」と日本でも使っています。法学の世界には日本語にはない概念を持つ外来語が多く、フランス語、ドイツ語、ラテン語などの言葉をそのままカタカナにして使うことがよくあります。
アンフォーチュネートリー、伝わらへん!
専門家同士なら、意味をわかった上で横文字を正しく使っているので、認識の齟齬は生まれないんですよね。会話にいるみんなの目線があっているので、横文字を使っても会話が成立するんです。問題なのは、正しい意味や用法をわからずに横文字を使っている場合です。
「ビジネスをグロースさせる」や「リスクヘッジ」は、英語に直訳しても成立しないので外国人にも伝わらないでしょう。アンフォーチュネートリーですね!
「フィージビリティ」「ドライブ」「アジェンダ」......使う人も聞く人も、ビジネスの場に出てくる横文字は社会人として当たり前に理解できるべきものだと誤解してしまっています。
「質問なんてしてはいけない、わかっていない奴だと思われる」。そんなことはありません、聞かぬは一生の恥です。あなたの周囲で同じくついていけていない人も多いはずです。