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2022.08.05 08:30

英小売大手マークス&スペンサー、青果の賞味期限表示を廃止


マークス&スペンサーは、賞味期限の表示廃止に加えて、食品廃棄と生活費高騰の改善を目指す他の取り組みにも力を入れていく計画だ。

マークス&スペンサーは2015年以降、「Neighbourly」というサイトを通じて4400万食以上を無償提供している。Neighbourlyは、社会により良い影響を与える組織としてB Corp認証(非営利団体「B Lab」が運営する認証制度)を受けているが、マークス&スペンサーはNeighbourlyとの提携を拡大し、専用プラットフォームを通じて、ボランティア活動を支援したり、金銭や余剰食品を寄付したりしていく計画だ。

マークス&スペンサーのフードテクノロジー部門を統括するアンドリュー・クラッペン(Andrew Clappen)はこう語る。「私たちは、熱意をもってイノベーションを起こしていく必要がある。安全と判断できれば賞味期限の表示を廃止し、新たな販売方法を模索しなくてはならない。顧客に対しては、工夫して食べ残しを減らし、変化を受け入れるよう働きかけていきたい」

英国の大手スーパーマーケットはすべて、サステナビリティを推進するWRAPが作成したガイドラインに署名済みで、ナスやニンジン、ピーマンなどのバラ売りを2025年までに実現すると約束している。

WRAPは、世界全体の温室効果ガス(GHG)排出のほぼ半分は、製品や食品の生産と消費の方法を変えなければ対処できない、と訴えている。

小売企業は、サステナビリティという極めて重大な分野において、前向きで効果的な変化を起こす必要がある。今後も引き続き、食料生産と、繊維生産でのプラスチック汚染を撲滅し、リサイクルに努めることが不可欠だ。そして言うまでもなく、無駄の削減に力を入れていかなければならない。

食品価格と生活費の高騰が止まらないなか、消費者は今後も、コストパフォーマンスを重視するだろう。そして、毎週出る家庭ごみにも、いっそう目を向けるようになるかもしれない。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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