3. 後遺症はどの程度心配すべきか?
今年2月までに発表された研究結果では、感染者のうち後遺症(ロング・コビッド)を経験する人は、10〜30%と推定されていた。症状は重いもの(認知機能の低下、幻覚、慢性的な息切れ)から特異なもの(長期的に続く味覚・嗅覚障害)まで、多岐にわたっている。
だが、なぜ回復してすっかり元気になる人もいる一方で、軽症でも後遺症が起きる人がいるのか、1カ月以上もブレインフォグ(脳にモヤがかかったような状態)が続いたり、倦怠感に悩まされたりするのか、今のところは科学でも説明がつかない。
また、ワクチン接種も後遺症を防ぐことはできないとみられており、その理由も明らかになっていない。米国の退役軍人およそ1300万人を対象とした研究でも、接種した人が感染後に後遺症を経験する可能性は、接種していない人と比べ、わずか約15%低下していただけだった。
ただ、重要なことは、ワクチンを接種していない人は、感染の可能性が高いということだ。米疾病対策センター(CDC)が今年1月に発表したデータでは、未接種の人は接種を受けた人の3倍、追加接種も受けた人の5倍、感染する確率が高くなっていた。
さらに、CDCが感染者の自己申告に基づき7月11日までに公表したデータによると、後遺症がある人は感染から1カ月後の時点では13.3%だったものの、3カ月後には2.5%に減少していたという。
4. 4回目接種は受けるべきか?
米国で追加接種を受けた人の中には、それからすでに6カ月以上が経過している人も多い。この人たちは、いま2回目の追加接種を受けるか、あるいはファイザーとモデルナが開発中の「オミクロン株対応型」のワクチンの接種が始まる予定の秋まで待つべきか、迷っていることだろう。
オミクロン株については、感染対策のために取るべき行動として勧められることが、人によって異なる。2回目の追加接種が特に有効なのは、基礎疾患がある人やウイルスに暴露する可能性が高い環境にある人、そして高齢者だ。