円筒状の金属に錫箔(すずはく)を巻き付け、音を録音・再生できる「フォノグラフ」(英語で蓄音機)。記念すべき公開時に録音されたのはエジソンが自ら吹き込んだ「メリーさんの羊」の歌だったそうです。
その後、1887年には円盤式蓄音機「グラモフォン」が生まれ、レコード再生ができるようになり、音楽産業が急速に発展しました。グラモフォンはグラミー賞の名前の由来にもなっています。しかし1895年、ラジオが誕生すると、多くの人がラジオ番組で放送される音楽を楽しむようになり、レコードの売り上げは全盛期の25分の1に落ち込みます。
さらにカセットテープやウォークマンの誕生で、音楽を気軽に持ち運ぶことが可能になります。1979年にはソニーとフィリップス社が、レーザー光を利用したデジタルオーディオディスクの開発に着手します。これがのちのCDです。そして録音用メディアとしてDATやMDが続きます。
「ポケットに1000曲入れて持ち歩く」という画期的なアイディアが爆発的ヒットとなったのがアップルの「iPod」です。「音楽再生ができる小型のコンピュータ」という新しいデバイスを生み出したのです。
現在音楽はSpotify、Apple Music、Amazon Musicなどのサブスクリプションが主流になっています。それまではネットで音楽データを掲載する海賊版サイトや違法アプリが横行していましたが、音楽系サブスクリの登場により違法アプリのユーザー数が激減したのです。
蓄音機の誕生から145年、技術の進歩によって、確実に音楽の可能性と選択肢が広がっています。
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