米シンクタンクのランド研究所の論文からは、米国の処方箋の価格が他の32カ国の処方箋価格を平均で約150パーセント上回っていたことが判明した。米国の患者は、韓国やギリシャ、ポルトガル、スロバキア、バルト海沿岸諸国の住民と比べ、処方箋に3倍以上の金額さえ支払っている。
比較対象国の中で処方箋価格が最も低かったのはトルコで、米国の人はトルコの処方箋価格の8倍近い金額を支払っていた。
その逆は米国の南のメキシコで、米国人は現地価格と比べ、処方箋に70%高い料金を支払っていた。メキシコは処方箋の米国との価格差が小さい国の一つで、その後にはチリやスイスが続いた。これら3つの国は全て、より安価なジェネリック薬品の供給が不十分であることが原因で、価格が比較的高かった。
ブランドの付いた薬品のみを考慮した場合、米国人が支払っている処方箋価格はメキシコやチリ、スイスの住民の3〜5倍だ。一方、メキシコとチリのジェネリックな処方箋は米国の価格の倍で、スイスの価格はさらに高かった。
米国のジェネリック医薬品の価格は同調査を通じて総合的に良い結果を収めていて、ジェネリック医薬品の処方箋が米国よりも高価だった国は32カ国中15カ国だった。しかし、価格面のこの利点も、米国のブランドが付いた医薬品の法外な値段を全く埋め合わせることができない。
価格は上昇を継続
カイザー・ファミリー財団によると、米国の処方箋への支出は2000年から2017年の間に76%増加し、今後も増え続けることが見込まれている。同報告書の著者らによると、医療費の中の処方箋費の割合は米国と他の国々で同等であり、価格の高騰は米国の医療システムの全ての部分に影響を与えていることが示されている。
著者らはまた、今回のデータを1人当たりの収入で調整することで各国の医薬品価格の違いを一部説明できることを発見したが、それでも全てが説明可能なわけではない。