ビジネス

2022.07.27 12:00

NFT売買のメモリア、日本発のブロックチェーン「Astar Network」と提携

露原直人

世界観を壊さない、プラットフォーム


メモリアは、連続起業家である木崎が2021年に創業。手掛けるNFTのマーケットプレイスは「ブランディング型」という特徴を持つ。

現在、NFTのマーケットプレイスは、OpenSeaが最大手だ。誰でも自由に投稿でき、ユーザーの流入や回遊がアクティブに行われるメリットはあるが、反面コンテンツ独自の世界観を表現することが難しいという一面もある。

メモリアでは、クライアントごとに専用の特設ページを用意して、それぞれの世界観に応じたNFT企画の設計を行っている。創業者の木崎は次のように語る。

「OpenSeaのように誰でもNFTの販売が可能なマーケットプレイスでは、コンテンツページにどのようなものが並ぶかをコントロールできないため、ブランドイメージを大切にする企業ほど参入のハードルが高い。メモリアのマーケットプレイスでは、クリエイターさんの世界観を保持しながらコンテンツの販売を行うことができるので、ファンにとってもクライアントにとっても安心してNFTを楽しむことができます」

同社は今年2月、エイベックスと業務提携して、人気ASMRボイスアーティスト蒔田つぐみの「動くASMR」をリリースした。蒔田は、普段はユーチューブでの静止画と音声のみで活動しているが、NFTコレクションでは音声に合わせてイラストも動く。

さらに、このコンテンツのユニークさは、No.1からNo.4まで物語が繋がっているシリーズものとなっている点だ。メモリアの木崎は続ける。



「2021年はコンテンツをNFT化するだけで話題性が生まれていましたが、その状況は変わってきていると感じています。背景にストーリー性があるものや、ファンの人がコレクションしたくなるようなNFTが選ばれる傾向があります。

そんななかにあって、まさに蒔田つぐみさんのASMRコンテンツは、単なる投機目的ではなく、彼女の語る物語を楽しむ目的で購入されている。購入者の90%が、No.1からNo.4までシリーズをすべて揃えています」

今後メモリアは、企業のマーケティング支援サービスや、コミュニティづくりを可能とする新サービスに乗り出していくという。

文=露原直人

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