CES出展拒否「ホットドロップス」とラスベガスNFTコミュニティ潜入記

Alex Wong/Getty Images

CES 2022では新しいカテゴリーが3つ追加された。宇宙・フードテック・NFTだ。

当コラムでも2021年からNFT.NYCレポートNIKEに買収された新進気鋭のNFTブランドRTFKTNFT DAOの先駆けMeebitsDAOについて記事を書かせてもらっている私としてはCES 2022のNFTブースの出展を見に行くのを楽しみにしていた。

CES開催1カ月前には仮想通貨取引所のCoinbaseもスポンサー企業欄に表示され、パリス・ヒルトンのNFTセッションも予定されており新進気鋭のNFTカテゴリーがCESでどのような存在感を示すのか、非常に興味深く見守っていたのだが、蓋を開けてみるとCoinbaseの出展はなく、パリス・ヒルトンもセッションに現れず、NFTブースは4社ほどが出展するとてもこじんまりとしたものであった。つまり期待はずれだった。

ただCES本体を見ていると期待外れのNFTも、場外では面白い動きが見られた。

CES出展拒否「ホットドロップ」が抗議の声をあげたラスベガスの夜


実は今回、CES出展拒否されたNFTスタートアップ「Hot Drops (ホットドロップス)」というのがある。セクシーな女性たちのグラビアが購入でき、マーケットプレイス上でファンコミュニケーションも行えるものである。


Hot DropsのTwitter(@MyHotDrops)から

このホットドロップスを中心とするNFTイベントがラスベガスの一軒家でイベントを開催するというのでCES会期中の1月6日夜、ラスベガスコンベンションセンターから車で30分ほど走らせたところにある会場に向かった。

広い庭とプールがある一軒家で行われていたイベントの名前は「Nifty Agenda (ニフティーアジェンダ)」という。そこではホットドロップスはじめCES出展していたNFTスタートアップのピッチ、NFTの展示、アーティストのライブペインティングなどが行われていた。





ホットドロップスのCEOであるアシュリー・ヨウダンは、元アダルトコンテンツクリエイターで、2014年に引退した後、起業とコンピューターサイエンスに転身した人物だ。そして、ホットドロップス技術チームは、マイクロソフト、グーグル、エクスペディア出身の経営ベテランで構成されている。投資家もリードインベスターおよびアドバイザーには、200社以上のブロックチェーンスタートアップに出資するTransform Venturesの創業者マイケル・テルピンや、EYのグローバルイノベーション&デジタルビジネスチームを設立し飛躍的な成長を遂げたデビッド・ジェンセンが名を連ねている。つまり成功する布陣が整っているスタートアップであるのだ。ただこのホットドロップスがCESから出展拒否され拒否の理由も明かされてないという。
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文=西村真里子

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