世界有数のeコマース企業Shopify社長からリーダーが学べること

Getty Images


「Work from anywhere(どこでも働ける)」モデルを採用して以来、リーダーのチームでさえ、インターネットに接続できる場所であれば、どこでも異なる場所に拠点を置くことができるようになった。例えば、法務責任者はワシントンD.C.に、最高技術責任者はサンフランシスコに、最高財務責任者はニューヨークにいる。

「場所にとらわれないというこの考え方は、Shopifyが優秀な人材の宝庫であることを意味します。そして今、採用はとても容易になり、我々の採用能力はより高くなりました」

それでも、いくつかの決定は、チームが同じ部屋にいることを必要とする。同社はまた、年に数回、従業員を集めてチームの絆を深める活動を行う「バースティング」と呼ばれるコンセプトを開始した。

「1人で仕事をするのが適切なときと、チームで仕事をしたほうが生産的なときを見極めることで、Shopifyはより良い会社になっています」とフィンケルスタインはいう。

デジタルシフトの中で、Shopifyのリーダーは組織内の透明性を高めることも決定した。例えば、四半期ごとに取締役会に送られる手紙はグループ全体で共有され、従業員は匿名の「なんでも聞いて」フォーラムを通じて役員に懸念を上げたり、質問をすることができる。

より良いリーダーシップのために自らの弱点を知る


フィンケルスタインは、リーダーシップの指針として、継続的な学習、自己認識、そして成長志向のマインドセットを強く信じている。

「私たちは非常に速く、そして多くの新しい方向に向かって成長しているので、私自身が社長であり続けるためには、自分もShopifyの成長スピードと同等かそれ以上に成長する必要があります」と同氏は述べている。「Shopifyのような会社でリーダーを目指すのであれば、1年ごとに自分の仕事を再認識する必要があるのです」

多くの企業がリーダーに「総合的な能力」を求める中、Shopifyは逆の視点でリーダーシップを見ている。

「私たちは『尖ったものを持つ』という考え方が好きなのです」と同氏は語る。「もしあなたが特定のスキルを持っているなら、私の仕事はそれをさらに鋭くすることです。そして、自分の弱点をしっかりと自覚し、その弱点を埋めてくれる人を採用する必要があります」

「そのおかげで、役割分担や責任分担を非常にシンプルに理解することができます」と彼は付け加えた。「全員がどのような仕事をしているのか知っていますし、経営陣のテーブルでは、全員のスキルにお互いが深い敬意を払っています」

最後に、彼から管理職の人たちへのアドバイスがある。オープンで正直であることだ。リーダーたるもの、自分の弱さを自覚し、個人的な側面をさらけ出すことで、組織全体がよりオープンに対話できるようになる。そうすることで信頼が増し、イノベーションが生まれ、心理的に安全な職場環境をつくることができるのだ。

「私たちは、鉄のような強い面を取り去り、自分の気持ちについてもっと包み隠さず話すことで、より良くなるのです」と彼はいう。

翻訳=Akihito Mizukoshi

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事