SHEINのTシャツが「300円」で買える、衝撃の理由


ファッション協定とは?


ファッション協定とは、2019年8月にフランスで開かれた主要7か国首脳会議にて、欧米を中心とするファッション・テキスタイル企業が署名した協定である。

「気候変動」「生物多様性」「海洋保護」の3つを柱に、共通する実践目標を掲げた。

ファッション協定に加盟している企業のアパレル業界でのシェアは、3分の1ほどにもなる。

加盟している有名ブランドには、シャネルやエルメス、ナイキ、アディダスなどがある。

ファッション協定に署名している日本企業


ファッション協定に加盟している日本企業はアシックスただ1つ。

温室効果ガス排出量削減や気候変動緩和に向けた活動が評価を受けている。

サステナブルなアパレル業界の成長のために、より多くの日本企業がファッション協定に加盟してほしいところだ。

SHEINから考えるエシカル消費の本質




エシカルとは、透明性の追求である。

企業が消費者のニーズだけを追求してしまえば、不都合な事実は隠蔽してでも、可能な限り安くつくる方針になってしまう。

1社でも多くの企業が、不都合な点を含めた裏側を正直に開示し、消費者がその事実を知ったうえで商品を購入できる社会こそが、エシカル消費が普及した状態と言えるのではないだろうか。

たとえ完璧でなくても、企業のそのスタンスが、人類の消費行動によって引き起こされる社会課題の解決に大きな良い影響を与えるはずだ。

SHEINの実態から学び、一消費者として買い物の姿勢を見直すと共に、企業の変革に対してもポジティブな働きかけをする人が増えることを願いたい。

安いものには理由がある




日本は長い間賃金が停滞していることもあり、多くの人が「安さ」を求める。

安価で買えるのは消費者にとってうれしいことだが、その消費行動によって気づかないうちに深刻な労働問題や環境汚染に加担しているかもしれない。

無理して高いものを買うのはサステナブルでないため、まずは経済的な豊かさを実現する必要はあるが、余裕がある人はエシカルなものを選択するようにしよう。

私たちにできるのは、安すぎるものの裏に隠れているものを想像し調べることで実態を知り、労働環境や環境保全に配慮したものを選ぶように心がけること。

「安い商品=悪者」とするのは軽率であるが、生産から廃棄までの目に見えない過程も大切にすることが、これからの消費者に求められている。

【参考文献】
・国際連合広報センター
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/32952/
・東洋経済『アパレル初!謎の1兆円未上場企業「SHEIN」の正体』
https://toyokeizai.net/articles/-/452310?page=5
・asics
https://corp.asics.com/jp/press/article/2020-12-10
・Public Eye
https://stories.publiceye.ch/en/shein/



※この記事は、2022年7月にリリースされた「エシカルな暮らし」からの転載です

文=エシカルな暮らし編集部

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