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2022.07.22 20:00

先行きの不透明感によるストレスから、メンタルを守る対処法

G-Stock Studio / Shutterstock.com

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米心理学会が実施した「Stress in America Survey(米国におけるストレス調査)」によると、主なストレス源のひとつとして「世界の先行き不透明感」を挙げた人は81%に上る。また、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの状況が絶えず変化しており、今後の計画が立てられない」と回答した人は65%近くに上った。

私たちは、パンデミックやサプライチェーン問題、ガソリン価格の高騰、インフレ率の上昇に加えて、雇用をめぐる不確実性にも対処することを余儀なくされている。

雇用の先行きが見えない不確実さは、実際に職を失うことよりも、人々の健康に大きな影響を与えることが、調査で示されている。雇用不安によって、病気にかかりやすくなったり、うつや糖尿病といった既存の慢性疾患が悪化したりするのだ。

では、何もかもが自分の手に負えないと感じる状況に置かれたときは、どうしたらいいのだろうか。雇用不安があるときに、ストレスを悪化させないようにする対処法を5つ紹介しよう。

まずは、不確実性を受け入れる


自分ではどうしようもない状況は、常に存在することを受け入れよう。人生は山あり谷ありだと理解することは、適応力を身に着けるうえで極めて重要だ。

『The Upside of Uncertainty(不確実性の利点)』(未邦訳)の共著者ネイサン・ファー(Nathan Furr)は、未知なる事態に直面してうまくいかなかったときでも、そこから学べることは必ずあると指摘する。

「その学びとは、もっと経験を積む必要があると気づくか、まだ必要なことを理解できていないと気づくかのどちらかだ」と、ファーは述べる。「不確実性を積極的に受け入れようとする姿勢さえあれば、人生は素晴らしい成長を続けることができる。新しいことに取り組み続けるときには、燃え尽きなどは起こらない。マインドフルネスのテクニックを取り入れてうまく対処できれば、新しいことは、我々を諦めに向かわないよう燃え立たせてくれる」

脳の辺縁系を落ち着かせる


人は、不確実さを感じると、本来持っている生存本能が呼び覚まされ、それが辺縁系にスイッチを入れる。つまり、脳がアドレナリンとノルエピネフリンを分泌し、悲観的な考え方をするようになるのだ。そんなときは、恐怖に屈せずに、いまは脳の原始的な部分が優位に立とうとしているのだと自らに言い聞かせよう。

「辺縁系が過熱した状態」から体が脱却できるよう、瞑想やヨガなどのマインドフルネスを実践するよう心がけるといい。1日たったの15分で構わない。深呼吸をして、思考を整え直せば、大きな違いが現れるはずだ。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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