万が一の事態が起こった場合の計画をたてておく
雇用の先行きが見えない不安に打ち勝つには、最善の結果を望むのと同じくらい、最悪の事態を想定して備えなくてはならない。コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)、つまり、混乱を最小限に抑えるための行動計画をたてておこう。このアプローチは、好ましくない出来事の影響を軽減するというよりも、問題解決能力を前もって磨いておくことを目的としている。
「将来を見据えた視点」を受け入れれば、もはや不確実さを恐れる必要はない。解雇されるのではないかと危惧しているのなら、心配するのはやめて、その時間を使って人脈づくりに励んだり、履歴書を見直したり、副業を始めたりしよう。緊急時のためにお金を貯めて、金銭的な備えを固めよう。そうしておけば、最悪の事態が訪れてクビを切られても、最初に目に留まった仕事に焦って飛びつくようなことはないだろう。
否定的な思考を断ち切る
ストレスを減らすもうひとつの戦術は、自分の考えを片っ端から信じこまないようにすることだ。「最悪の事態」をつい想定してしまうものだが、それでは、失敗に向けて状況を整えているようなものだ。なぜなら、「こうなるのではないか」と思っていると、それが自己実現的に現実になってしまう可能性があるからだ。悪いことが起きると思いこむと、それに応じて行動が変化する。すると、さらに不安が嵩じて、リスクをとったりチャンスをつかもうとしたりすることができなくなる。
そうした状況にならないよう、望みうる最高の結果を思い描こう。そうすることで、否定的な結末に焦点を当てすぎる傾向を抑えることができる。
自分のリスク許容度を高める
先述したファーはさらに、自らのリスク特性を把握するよう勧めている。自分はどんなリスクを受け入れ、どんなリスクを避ける傾向があるのか、考えてみよう。
自分がどのようなリスクだったら受け入れやすいのかを把握していると、そうした状況を、より大胆に受け入れられるようになる。さらには、避けがちな分野の小さなリスクに、手を出せるようになってくる。ファーはまた、「リスクを無事に乗り越えるたび、そのタイプのリスクにはうまく対応できるという自信がついてくる」と述べている。