これは、2社が米国、英国、カナダ、オーストラリアの4カ国で約2100人の従業員とCスイート(経営トップ層)を対象に健康について行った調査だ。調査の発見事項には次のようなものがある。
・労働者の間で、新型コロナウイルス感染症の流行がどれほど自分たちにとって厳しいものだったかを役員が理解していると考えていた人は47%だったが、コロナ禍がどれほど厳しいものかを自分は認識していると答えたCスイートは90%だった。
・コロナ禍で、会社の役員は従業員にとって最善の決断を下してきたと答えた従業員は53%だったが、自分たちの意思決定が模範的だったと考えていたCスイートは88%だった。
・会社の役員は従業員の健康を気に掛けていると答えた従業員は56%だったが、従業員は自分たちの気遣いを感じていると思っていたCスイートは91%だった。
従業員と役員がどちらも合意できることは、健康に優先して取り組むことがどれほど難しいかという点だ。Cスイートの回答者の間で自分の健康をより支援してくれる仕事への転職を真剣に考えていると答えたCスイートは70%近くだった。従業員の中で退職を考えていた人は57%だった。
それでも、従業員の63%とCスイートの73%は、休暇を取ってリフレッシュできていないことが同調査から判明した。休暇を全て使い切っている、1日の間に短い休憩を複数回取っている、十分な睡眠を確保している、友人や家族と過ごす十分な時間があると報告していた従業員はわずか半分ほどで、Cスイート層では3分の2だった。
しかし同調査では、多くの役員が既に健康をもっと援助するような環境づくりに取り組んでいることが明らかになった。
役員として健康面の目標を設定していた人は88%で、87%は健康に関して個人的な学習戦略を策定していた。また87%は、労働力に関する組織の理解を健康増進に活用している。
しかし従業員の回答者の間で、会社が職場の文化や人々の仕事に健康を組み込んでいると答えた人は60%未満だった。
従業員の感覚と会社の対応の間のこの隔たりは、リーダーが目を覚ますべきというメッセージだ。
チームを率いている人は、チームの健康を目に見える形で支援する必要がある。チームの価値ある人材に退職のリスクがあり、会社全体が変わるまで待てない場合は、ここに挙げる5つの方法を用いることで、チームの健康を支援していることを個人的に示すことができる。