高齢患者の入院生活をより良くするために本人、家族、医療スタッフができること

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パンデミック以来私は、病院に見舞いに行っている時間が他の何よりも長い。新型コロナ以降多くのことが変わったが、私は自分の経験から、高齢患者とその家族、および患者をケアする医療スタッフに向けて、いくつか良いアドバイスができることがわかった。ここでは患者と医療スタッフのためのアイデアをいくつかご紹介する。内容は病院に焦点を当てているが、多くの部分は介護施設にもあてはまる。

コミュニケーション


患者へ:これまで以上に、代弁者が必要だ。病院にいるとき、あなたは最良の状態ではない。多くの医学用語を聞くことになり、完全ではない情報に基づいて、難しい決断を迫られることもある。人手不足の病院はタイムリーにケアを提供できないかもしれない。退院後、自分が何をしなくてはならないかを理解することは決定的に重要だ。

心配ごとや質問があるときは、すぐに書き出しておくこと。記憶に頼ってはいけない。医者が来たときには忘れているかもしれない。

あなたに代わって質問してくれる人にいてもらえるよう頼んでいよう。良き代弁者を得ることは、新型コロナのために面会制限のある今は特に難しくなっている。もし代弁者がそこに来られなくても、スピーカーフォンやZoomを使うこともできる。

あなたが必要なケアを受けていないと感じたとき、代弁者はその問題を毅然として、しかし丁寧に、病院スタッフに伝える必要がある。高齢者にとって、最良の代弁者は配偶者ではないかもしれない。状況に圧倒されて助けにならないかもしれないからだ。親戚や友人に頼むのがよいかもしれない。有料の代弁者を雇うことも可能だ。

理想的には、代弁者は、あなたに代わって判断を下すために、医療行為の代理権を持つ必要がある。しかし、たとえ法的権限を持っていなくても、病院内の迷路を案内してくれる人がいることの方がもっと大切だ。

医療従事者へ:患者と話すこと。たとえ代弁者や他の人が病室にいても。医者は(ときには看護師も)、「患者について」は話すが、「患者に向かって」は話さないことが多すぎる。患者中心のケアはマーケティングの宣伝文句だけではない。あなたの患者は自分の体をあなた以上によく知っている。患者の声に耳を傾けること。そして尊重することだ。

患者はたとえ死を迎えているときでも、すべてを聞いていることがよくある。自分の言ったことは全部患者が知っていると考えるべきだ。そして、患者はたとえ声で返事ができなくても、応答することができる。そういう非言語的なてがかりに細心の注意を払う必要がある。

誰よりも看護師が重要


患者へ:おそらく先生は午前の回診で来てくれるだろう。。しかし、その日のうちにもう一度先生の診察を受けることはまずない。あなたのことや、日中何が起きるかを最もよく知っているのは臨床看護師だ。医療に関するあなたの質問にほぼ常に答えてくれて、不具合があれば助けてくれる。
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翻訳=高橋信夫

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