つまり、7月16日は日本で初めて駅弁が販売された駅弁記念日となります。
白木屋の駅弁はいたってシンプルで、おにぎり2個とたくあん2切れを竹の皮に包んだだけのものでした。お値段は5銭です。1885年は明治18年にあたります。明治20年頃はもりそば・かけそばが1銭、天丼が3〜4銭で食べられましたので、5銭というのはなかなかの高値だったのではないでしょうか。
日本に鉄道が開業した当初の所要時間は品川〜横浜間で約35分でした。これでは食事の必要性を感じませんが、段々と鉄道の区間が伸びて所要時間が長くなるにしたがって、駅弁の必要性も増していきます。同時に、限られた駅でしか販売されていなかった駅弁はやがて各地で販売されるようになり、内容もそれぞれに工夫がこらされるようになっていきました。
現在は全国で2000種類以上の駅弁があるといわれています。日光彫りの漆塗り弁当箱に入った豪華な「日光埋蔵金弁当」(21万6000円、器ができ次第随時販売)など、驚くようなお弁当も登場しました。駅のみならずスーパーやデパートでも駅弁フェアがしばしば開催されるなど、いまや駅弁は「駅」にとどまらない存在となっています。
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