テクノロジー

2022.07.12 18:00

デジタルファッションが拡張するアイデンティティー


デジタルファッション特化展示「Beyond - The new CHAPTER of digital fashion」




2022年6月、ニューヨークの廃線跡地に洒落た散歩道やカフェが連なるHigh Line、その一角で「AWW × XTENDED iDENTiTY Beyond - The new CHAPTER of digital fashion」は開催されていた。私が訪れたパーティーではデジタルファッション領域に興味をもっているニューヨークのモデルエージェンシーや、世界で活躍する日本人ギタリストMIYAVI、M-FloのVERBALらトレンドセッターたちの顔ぶれも見られた。

さて、盛況なパーティーの最中に、今回モデルとしてバーチャルヒューマンimmaを登場させているAww守屋氏にデジタルファッションの可能性について伺った。まずはデジタルファッションとリアルの繋がりをどう観ているのか? である。

守屋氏は「『デジタルファッションは着ることができないから需要がない』と言われることが多々あるが、その度に不思議な気持ちになる」と語る。「デジタルファッションは、自身たちがバーチャル上に身をおいた時にもっとも魅力を発揮するものと捉えています。自分自身の体験としてAPEXやFortniteにて自分が新しく新調スキンを身につけると、翌日友達も真似てスキンを買ってくることがあったことを覚えており、リアルファッションでの出来事と近いことがバーチャル上でも起きているのを体験したことがある人ほど、デジタルとリアルのファッションを混同することが少ないと思います。デジタル上で自身を投影し、デジタル、バーチャル双方での自分をファッショナブルにしたい欲は強いと感じており、そこにこそ価値があると思っています。

また、テクノロジーの進化がよりソフト・ハード面の両方で育つことで、現在顔へフィルターをかけているように気軽にちょっとAR上で全身着飾るようなことへの需要も高まるとも思います。」

確かに、私自身もZoomの背景を変更することから始まり、カジュアルなミーティングではSnap Cameraのフィルターを使って頭の上に猫を乗せることでミーティング相手を楽しませたり、Fortnite上で目立ちたいのでトマトのスキンを購入したり、と既にデジタルファッションを楽しんでいる。守屋氏が言う通り、これからARグラスなどのハードウェアなどの進化が起きると、自分が見ている世界を着飾りたい欲求も出てきそうである。


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文=西村真里子

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