デジタルファッションが拡張するアイデンティティー

XTENDED iDENTITYデザインのフェイスマスクを着用したAwwのバーチャルヒューマン「imma」


デジタルとフィジカル “フィジタルファッションアイテム”の可能性


Awwとともにデジタルファッションの展示を行なっているXTENDED iDENTiTYが手がけるYunjia Xing氏とZiqi Xing氏にデジタルファッションの価値をどのように考えているか、聞いてみた。

「私たちXETENDED iDENTiTYは、すべての人のアイデンティティを拡張することを目指しているデジタルファッションブランドです。女性やLGBTQ+コミュニティをはじめ誰もが自分の存在をデジタル上で感じられるように、ノンバイナリーのデジタルファッションを作っています」

「我々はデジタルファッション製品がオーディエンスにどのような価値をもたらすことができるかをより重視しています。私たちは、デジタルとフィジカルを組み合わせたフィジタルファッションアイテムを提供することを目指しています。デジタル製品の所有者は、私たちの先進的なAR試着技術によって、デジタル製品と一緒に着用し、スタイリングできるお揃いの物理的なアイテムを受け取ることができることを目指しています」

まず、いままでのファッションだと「消費者」と定義されている存在が「オーディエンス(観客)」として捉えられていることが面白いと感じる回答であるととともに、デジタルファッションには、デジタル・オンリーのものもあるが、フィジタル(フィジカル&デジタル)どちらでも楽しめる製品がこれから出てくることを予感させてくれる。

XTENDED iDENTiTYの共同創業者であるZiqi Xing氏はフィジタルだからこその価値付けが可能であるとも述べる。「現在開発中の私たちのデジタルファッションアイテムは、ARフィルターやVR上のスキン、オンチェーンゲームなど、さまざまなシーンで着用可能です。そして、フィジタル製品としてデジタル+フィジカルでも楽しめます。したがって、私たちの製品の価値は、単一のデジタル製品やフィジカル製品以上の価値をもたらします。メタバースと実生活において無限の可能性を持っており、ファッションアイテムを通じて双方のアイデンティティを拡張することができます」と述べる。

確かに単なるファッションアイテムだけではなく、さまざまなユーティリティーを有する存在にもなるのであれば、見た目は「デジタルシューズ」であっても通常の靴よりも価値をつけて販売しても良さそうである。




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文=西村真里子

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