ファテヒいわく、動画配信大手のネットフリックスから、セールスフォース・ドットコムなどの大手事業開発支援ツールまで、サービス型ソフトウエア(SaaS)は既に私たちの生活に欠かせない存在となっている。新著『Democratizing SaaS(SaaSの民主化)』の中でファテヒは、ソフトウエア業界におけるゲームチェンジャーとなる破壊についてのビジョンを示しており、自らの業界を破壊したいと考えるビジネスリーダーはこれから学ぶことができる。
ファテヒは2019年、ビジネステクノロジー賞の「CODiEアワード」で、名誉ある生涯功労賞を受賞した。過去の受賞者には、ビル・ゲイツ、ポール・アレン、スティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアックらが名を連ねる。ヒューレット・パッカードの元幹部で、現在はソフトウエア開発企業コレント・テクノロジーの会長兼CEOを務めるファテヒは、起業家精神やリーダーシップをテーマにした講演者としても人気が高い。
SaaSが成功した理由は、その販売モデルや、顧客を瞬時に引き付けられるといった優位性を考えれば「全く驚くべきことではない」とファテヒは言う。「これまでは購入やライセンス取得に多額の出費が必要だったサービスを、月々のシンプルなサブスクリプションで利用でき、定額の中に継続的な運用・保守費用も含まれるとなれば、とても魅力的な選択肢となる」
自社の製品・サービスを「再発明」するには、価格設定や資金調達のモデルを変える方法を模索しよう。ビジネスの歴史を振り返ると、そのような方法で業界を破壊した人は多い。例えば、アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾスは、そうした方法で小売業界を破壊。ディズニーランドは月額制のパスを発行することで、テーマパークの利用方法を破壊した。