こうした専門家は、購入の決断に影響を与えるだろうか?
筆者はそうだと思う。専門家のコメントは、投資や個人的な商品の選択に影響を与えるものだ。投資家はいくつか講義に出席したり報告書を読んだりした結果、安心して所有できると感じる株式を購入するかもしれないし、あるいは企業の将来の成長を実現する経営の質やビジョンについて学んだ可能性もある。
前向きなレビューは、不況の先を見据え、経営陣のビジョンが示す強力な復興に貢献するよう投資家らに促すだろうし、投資家らはその小売企業に対する知識や信頼に加え、報道機関によるポジティブな言葉にも影響を受けるだろう。
また商品も、同様に専門家による恩恵を受ける。専門家らは革新や商品の質、その特別な使い方について議論することができる。私は10年前、友人から自動で床掃除をする掃除機「ルンバ」について耳にした。
私はルンバを購入したことはないものの、これまでその成功や改善を追ってきた。こうした情報からは、同商品が今後改善され、ハンドヘルド掃除機に続く次の定番商品となるだろうということが分かった。
学術研究者が重要な理由はいくつかある。まずこのグループは、企業の行動や消費者の選択に影響を与える研究を行っているほか、若者らを目覚めさせ、大学卒業後の創造性を促すことが多い。
ペンシルベニア大学ウォートン校経営大学院とハーバード・ビジネス・スクールはどちらも、革新的な商品や事業のアイデアの開発を促す講座を開講している。
こうした講座では新たなアイデアが醸成され、ウォートン校で生まれたメガネ販売企業ワービー・パーカー(Warby Parker)などのパートナーシップが生まれるほか、ハーバード・ビジネス・スクールで生まれた服レンタル企業レント・ザ・ランウェイ(Rent The Runway)など、新たなコンセプトが生まれることさえある。
小売は面白い。ここで挙げられた、影響を与え得る全ての人々は小売業界の成長、あるいは方向転換にさえ何らかの形で貢献している。
季節的な仕入れのタイミングやその満ち引きを理解するには何年もかかる。米百貨店ディラーズが12月に水着を販売するのはどういった理由だろう? それは、一部の顧客がこの時期に旅行やクルーズに出かけることを同社が理解していることにある。
あらゆるタイプのインフルエンサーが小売業を形成し、商品の販売を助け、将来を再定義するようなイノベーションを促している。こうした人は、必要な資産なのだ。