ビル・ゲイツが支援する人工母乳
エッガーのBioMilqも、業界にイノベーションを起こそうとしている。同社は、ビル・ゲイツやNovo Holdings、Breakthrough Energy Venturesなどから2500万ドルの出資を受けている。BioMilq のCEOを務めるエッガーは、今後3~5年で人工母乳を発売する予定という。
BioMilqは、女性から寄付された母乳と乳房組織から母乳を分泌できるヒト細胞を増殖させて人工母乳をつくりだす。同社は、謝礼として寄付者に小売店のギフトカードを提供している。
エッガーによると、BioMilqはまだ研究開発中で、商品化には18カ月~2年が必要だという。「乳幼児の食事は、過去10年ほどは女性の問題として扱われていたため、起業家や投資家の関心は低かった。また、乳幼児用の栄養食品を開発し、市場に投入するためには、多くの資本と専門知識が必要になることも、この分野への参入を困難にしていた」と彼女は話した。
エッガーはFDAの認可を取得後、製品を消費者にダイレクトコマースで提供するが、製造コストを補うために価格は高めになるという。彼女は、女性が乳幼児に与える栄養を妥協することなく、職場でのジェンダーの平等を実現するのに自社の製品が役立つと信じている。「母乳は最高の栄養源だが、完全母乳育児は大半の家庭で実現が困難となっている」とエッガーは話した。