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2022.06.21 08:30

空飛ぶタクシーの運用プラットフォーム「Skyroads AG」の野望

Getty Images

都市部の交通渋滞がますます悪化する中、将来的にeVTOL(電動垂直離着陸機)などの空飛ぶクルマが急速に普及することが予想されている。「Skyroads AG」の共同創業者でCEOのコービン・フーバーは、都市部のエアモビリティのためのプラットフォームを構築している。

フーバーは、航空エンジニアだった父親の影響を受け、ミュンヘン工科大学で航空宇宙工学を専攻した。その後、複数の航空機メーカーの経営に携わった後に、Skyroadsの事業アイデアや、航空交通のマネージメントの方法を思いついたという。「スーパーヒーローでないと空を飛べないという古い考えを捨てなければならない。その実現には、携帯電話で見られたようなユーザビリティの革命が必要だ」と彼は言う。

フーバーと航空業界の専門家のチームが2019年に設立したSkyroadsは、人や貨物を輸送する自律飛行型の空飛ぶクルマのための航空管理システムを構築している。同社は昨年9月、航空管理システムの基礎的なコンセプトをテストし、エンドツーエンド・システムを介してドローンに指示を出し、運用を支援するという最初の大きなマイルストーンを達成した。

Skyroadsは現在、ドイツのミュンヘンに世界初の飛行テストエリアを建設中だ。このテストエリアは、交通管理や車両誘導用のインフラを完備しており、高度に自動化された手法で様々な種類の航空機を安全に誘導する。

また、同社は詳細を公開していないが、米西海岸の主要都市と協力し、2025年までに都市部で初となる試験運用を開始する予定だ。

アーバン・モビリティを新たな交通手段として実現するためには、様々なメーカー製の航空機を、共通のデジタルインフラによって1つのフェイルセーフな輸送システムに統合することが必要だ。Skyroadsの航空交通管理システムは、今後予想される業界の急成長への準備を進めている。

「数機の航空機が決められたルートを飛行中に、救急ヘリコプターが至近距離を通過したとしよう。このようなとき、当初のスケジュールを大きく変更しないようにしつつ、安全で動的な対応が求められる。我々は、このようなシナリオを適切な装備をしたドローンでモデル化して検証している」とフーバーは述べた。

想像より早く実現する空のタクシー


22名の航空業界の専門家が在籍しているSkyroadsは、これまでに2度のシードラウンドを実施し、自動車用ソフトウェア会社のVectorやFlixmobility、Mutschler Venturesをはじめ、複数の個人投資家から資金を調達している。さらに、今年の第2四半期には、シリーズAラウンドを計画している。

フーバーは、多くの人が考えるより早くアーバン・エアモビリティが実現すると考えている。「我々は、人を乗せて移動するアーバン・エアモビリティの試験運用が2026年以降に始まると想定している。それは、乗用車よりも個人向けの路面電車に近い移動手段となり、スムーズで効率的な移動を実現する」と彼は語った。

編集=上田裕資

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