2. やる気の低下
従業員の勤務場所は、生産性と集中力にさまざまな影響をもたらす。米調査会社ギャラップの調査からは、オフィス勤務を好む人の約41%が生産的が高いと感じることを根拠として挙げた。大半の人は通勤がないことを理由として在宅勤務を好んでいるが、29%は自宅で働く方が気が散りにくいとも答えている。
ある従業員にとっての最善が、全員にとっての理想とは限らない。しかし調査からは、従業員の年齢が在宅勤務環境への反応を予測する有用な指標となる可能性が示された。
ピュー・リサーチ・センターが行った別の調査では、18~29歳の従業員の約53%が在宅勤務によりやる気が不足するように感じると答えたものの、50歳以上の成人の間でこの問題を抱える人はわずか約20%であることがわかった。
Z世代と若いミレニアル世代がモチベーション不足を経験する一つの説明として、オフィス外ではコミュニケーションが少なく、説明責任が限られていることがあるだろう。雇用主はオフィスにいない従業員のニーズや感情をなかなか理解できず、これが士気を損なう可能性がある。
3. ワークライフバランスの乱れ
RMIT大学(旧王立メルボルン工科大学)の研究者らは複数の調査を行った結果、在宅勤務をすることで仕事とプライベートの間の境界を維持しづらくなることが示された。在宅勤務をした参加者は、プライベートと公共の生活に加え、現実世界と仮想世界の間の境界線がないことにより、精神不安の中を生きているように感じると説明した。
労働力の仲間入りをするZ世代の中には、在宅勤務をすることにともなう境界線の欠如に既に気楽に対処できる人がいるかもしれない。一方で、朝家を出る理由がないことで方向感覚を失ったように感じかねない人もいる。
従業員エンゲージメント支援ツールを提供するテン・スポット(Ten Spot)の調査によると、Z世代の労働者の中でフルタイムの在宅勤務を希望する人はわずか約30%だ。あなたの問題がここに挙げたうちのどれであるにせよ、決断を下す前に慎重に考えること。
自問すべきことはもはや、「何をして生計を立てたいか」ではなく「生計を立てるためにしたいことを、どのようにこなしたいか」だ。