「生産性」を向上させる
直観にはそぐわないかもしれない。だが、空想にふけることは私たちのパフォーマンスを向上させ、長期的な目標の達成を助けると考えられている。また、空想にふける回数が多い人ほど、ワーキングメモリ(作業記憶)の能力が高いとみられている。「人間関係」を深める
パートナーとの間に問題を抱えている場合、空想にふけることによって気持ちを整理し、解決策を見出すことにつながるともいわれている。サンディエゴを拠点に活動する心理療法士のクリスティーナ・ファーニバルはその理由について、次のように説明している。「話し合いの練習、会話の想像になり、自分の考えをはっきり述べたり、対立した場合に健全な対応を取ったりできるようになります」
「パートナーについて前向きな気持ちで空想していれば、関係を深めることにつながるでしょう」
マインドワンダリングの「適量」は?
有用で生産的なものになり得るマインドワンダリングだが、注意が必要な場合もある。ファーニバルによると、ボーっとしていることがあまりにも多く、やるべきことをこなせないほどであれば、ADHD(注意欠如・多動症)や、うつ病、行為障害などを疑うべきだという。米ワイルコーネル医科大学のゲイル・ソルツ准教授(臨床精神医学)は、「空想にふける状態をコントロールするのが難しいようであり、物をなくしたり置き忘れたりする傾向があり、衝動性に問題がある場合、強い興味があることにしか集中できないといった場合には、ADHDの検査を受けることを勧める」と述べている。