テクノロジー

2022.05.28 13:00

「ほんまに宇宙人いるの?」光通信事業に取り組むCTOが語る宇宙開発【伊東せりか宇宙飛行士と考える地球の未来#7】

Getty Images


進む光通信技術と宇宙探査


せりか:CDOに就任して、皆さんのお話をうかがっているなかで、衛星光通信は実用化が目前で、世界から注目が集まっていることを実感しています。今後はどのように発展していくと考えていらっしゃいますか。
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永田:地上で使われている光通信は1970年代から研究開発が始まり、1980年までに伝送できるデータ量は1000倍にまで増えています。つまり1年に2倍のペースで増えていて、光ファイバーの性能も向上しています。宇宙用の光通信は実用化の元年といえるフェーズで、地上の光通信と同じか、それ以上のペースで発展していくのだろうなと思っています!

せりか:光通信の技術は、宇宙探査にどう役立てられていきそうですか。

永田:宇宙探査に必要な通信が光通信に置き換わっていけば、通信機のサイズは小型化し、消費電力も小さくなるので 、カメラやセンサなど探査ミッション自体に割けるリソースがどんどん増えていくでしょう。
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ワープスペースの衛星向けの通信インフラ事業「WarpHub InterSat」を地球の周回にとどまらず、月や火星、木星、土星にも広げていき、太陽系全体をネットワークで結べば、深宇宙探査が進はず。事業を通して宇宙科学探査をサポートすることで、科学探査を推進していきます。そして、私の目標である地球外生命体の発見を達成したいと考えています。

せりか:今はNASAの火星探査機が取得した火星の画像やデータは、早ければ数時間程度で地上に届いています。それが大容量であっても、半リアルタイムで届くようになるということですね! 楽しみです。永田さんが探査してみたい星はどこかありますか。

永田:いっぱいありますよ! 木星の衛星・エウロパやガニメデ、土星のタイタンやエンケラドスは特殊な環境で、水やメタンが液体の状態で存在しているのではないかと考えられています。液体は複雑な化学反応が起きる大事な条件の一つ。液体が存在していれば、生命が生まれる可能性が一気に高まります。そういった環境は太陽系内にも、まだまだたくさんあるので、くまなく調べたいです!

せりか:地球外生命体が見つかる日も近そうです!


小山宙哉/講談社

私が尊敬する天文学者の金子シャロンさんは、著書で「私が夢だった天文学者になれたのはきっと若き日のドキドキを信じたからです」と綴っています。永田さんが宇宙に関わる仕事に就けたのも、きっと若き日のドキドキを信じたからですね! ありがとうございました!

せりか宇宙飛行士との対談企画第7弾は、CTOの永田との宇宙探査や科学技術の振興の意義、そして衛星光通信のポテンシャルについての議論でした。

次回のゲストは宇宙分野に特化した投資家の方です。投資家の目線から見た、宇宙ビジネスの魅力を語っていただきます。お楽しみに。

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