アムステルダムのBuiksloterham地区には、サステナブルな水上集落「Schoonschip」と、クリーンテクノロジーのプレイグラウンド(遊び場)「De Ceuvel」の2つのリビングラボがある。これらは、地元での持続可能なエネルギー生産への移行など、循環型戦略のための実験場としての役割を果たしている。
Schoonschipでは、運河の水から熱を抽出したり、太陽光発電で発電したり、適切な断熱材とエネルギー効率の高い機器を使用するなど、エネルギーニュートラルに向けたさまざまな取り組みが実施されている。
アムステルダム全体で同様の循環型イノベーションを促進するため、すべての知見をオープンソース化し、プラットフォーム「Greenprint」でアクセスできるようにしている。
循環型イノベーションのモットーは「実際に取り組み、再現してみる」ことだ。
リビングラボは、循環型イノベーションを創出する場になる(都市規模)/Image via Metabolic
同様にDe Ceuvelでは、ブロックチェーンベースのエネルギー共有プラットフォーム「Jouliette」のパイロット版を導入し、現地で生産した再生可能エネルギーをいかに共有・貯蔵・管理できるかを実証検証している。
このマイクログリッド(小規模電力網)のパイロットは現在、より広範囲で実施されており、需要を上回る再生可能エネルギー発電量を有する地域(positive energy districts)の構築を試験的に展示する場の一部として、一つの大きなエネルギーコミュニティポートフォリオに統合されている。
De Ceuvel(上)とSchoonschip(下)/Image via Metabolic
リビングラボは、循環型イノベーションを創出して起業家精神を育成する場
最良の実験はトップダウンで行われるのではなく、地域のイノベーターや起業家が活躍できる健全な環境の下で行われる。
米国初の循環型都市を目指すシャーロット市は、現地の廃棄物の流れを利用した地域イノベーションを促進するため、イノベーション・バーンと呼ばれるリビングラボをつくった。ここでは、装置だけでなく、専門家のアドバイスや商業化におけるフィードバックを提供し、起業家がシャーロット市の都市鉱山を利用することを奨励している。