ソフトウェア時代に必要な3つの力
こういった動向から、今後必要とされるスキルが明らかにこれまでと異なってきていることがわかると思います。
自己啓発本やビジネス本などではいろいろな提案がなされていますが、私からもより基本的なスキルを提示したいと思います。かつては大学などで学んだことをベースに業務経験を積んでいくことでスキルを向上させていくアプローチが普通でした。しかし、昨今のデジタル化・ソフトウェア化においては、日々新しいテクノロジーや科学的発見があり、過去の常識を常にアップデートしなくてはなりません。
私が考える、デジタル時代に特に重要と思われる「力」はこの3つです。
学習力
どんどん出てくる新しいことを、次々と吸収していく能力
ソフトウェア技術が事業の中心になれば、常に革新へと導く新たなアイデア出てきます。それらは未完成だったり、課題があったりするものの、そういった提案を吸収し、理解し、自らのものとして使えるようになり、プロダクトやソリューションを創造できる人材になることが重要と考えます。
探索力
自ら新分野を好奇心を持って探索していく能力
新たなアイデアは、先端技術者があるカンファレンスでヒントを述べたことが契機となって、一流のテクノロジストの間で話題になり、盛り上がって行くことが少なくありません。こういった新たなアイデアに遭遇するためには、自ら好奇心を持ち、常にアンテナを張って探索していく以外無いと考えます。
連想力
一見無関係に見える事象、現象を関連付けて理解できる能力
新たなアイデアは、多くの場合、皆さんが日々関わっている業務に一見関係なさそうに見えるかも知れません。あるいは、このアイデアだけではソリューションやプロダクトを創造するには足りないと感じることもあるでしょう。ただ、「もしこれにあれが加わったら」、といった連想力を発揮することで、それまで無関係と思われた提案が意味を持った形で見えてくるように思います。
生涯教育といわれて久しいですが、学習することをおざなりにすると、日々進化していくデジタルエコノミー下では置いてきぼりを食ってしまいます。「努力する人は夢中になる人にかなわない」という言葉を聞いたことがあります。まさしく、夢中になれるテーマを個々人が見つけ、デジタル時代の新たな価値を創造する人になっていくことが重要だと考えます。