しかし、デメリットも考えられる。同じ調査で回答者の38%が犬がオフィス内を歩き回ることを良いことだとは思っておらず、13%が仕事中に犬に邪魔されることで生産性が下がると感じてた。
それでも、家庭教師管理ソフトのTutorCruncherのように、ロンドンのオフィスに犬を入れることで、職場のストレスレベルが下がり、生産性が上がったと報告しているスタートアップ企業もある。
同社は、犬を飼っていない人への影響などのマイナス面についても熟考していたとSEO担当役員のJamie Irwinは説明する。何人かの社員は大型犬を怖がっており、同社は会議室とオフィスの一部を「ドッグフリーゾーン」に指定し、彼らがくつろげる空間を提供することにした。
一方、テクノロジー系スタートアップのSteamhausのオフィスには、5年前の創業当初からオフィス犬のボビーが居た。同社の創業者のダニエル・ファラデー・フォスターは、「彼女はストレス解消になることが証明されており、仕事中に膝の上に乗せている人もいる。行儀がよくて、あまり吠えたりしないので、職場に欠かせない存在になっている」と話す。
ポピーの同社のへの最大の貢献は、面接や来客時のアイスブレイカーとしての役割だという。「すぐに話題の中心になって、みんなすぐにリラックスしてくれる」
Steamhausは、その日にどんなミーティングがあるのかを、事前にスタッフに確認するようにしている。これにより、誰もが快適に過ごせるようになり、犬を好まないゲストやスタッフとの衝突が避けられる。
「私たちのポリシーは、飼い主に責任があることを保証している」とファラデー・フォスターは付け加えた。「犬が入ってはいけない場所に迷い込んだり、騒いだりしないようにすることが含まれている。もし犬の行動に問題があれば、彼らは再び招待されることはない」
英国の雇用法では、職場でのペットの飼育についてはまだ法制化されていない。しかし、ロンドンを拠点とする法律事務所didlawのカレン・ジャクソンは、この件に関する正式なポリシーを持っていない企業は、基本的なルールを定るべきだと述べている。
「誰もが愛犬家というわけではなく、恐怖症やアレルギーを持つ従業員もいる。職場で犬を飼う場合は、犬を好まない人たちにも配慮する必要がある」とジャクソンは指摘した。
例えば、トイレのしつけができた犬だけをオフィスに入れるようにするなど、基本的なルールを決めておくことが重要だ。また、大規模なオフィスでは、犬の数に制限を設けたり、犬を連れて出社できるスタッフを事前承認制にするなどのルールづくりも望ましい。