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2022.04.25 12:00

トレンドに乗り、郊外市場に商機を見出すコワーキングスペース

Getty Images

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2021年、不動産オーナーたちは呆然とした。突如として雪崩を打ったようにリモートワークへの大転換が起き、世界の大都市にそびえ立つオフィスビルは、過去の遺物と化したかに見えた。

ソーシャルディスタンスの時代に、数千人もの人間を鉄骨で囲まれた空間に8時間から10時間にわたって詰め込み、蛍光灯で照らされた強制換気の環境にさらすことは蛮行と捉えられたのだ。

新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大していた暗い日々に、欧州ではHSBC、ロイズ、スタンダード・チャータードという3つの大手銀行がそろって、多額の費用がかかる最新設備の瀟洒な本店ビルを売却する計画を発表したり、賃貸契約の期限終了時に移転する旨を表明したりした。

また、ツイッターやスクエア、スポティファイといった進歩的なテクノロジー系企業は従業員に対し、恒久的にリモートワークを認める方針を打ち出した。

その後、パンデミックの勢いが以前ほどではなくなるなかで、社会のムードも明るくなっていった。大企業、特にテクノロジーセクターの企業は、ハイブリッド型の就業モデルを選ぶようになった。これは、従業員に1週間のうち2日から3日、オフィスに来てもらい、残りの日をリモートワークとする働き方だ。

さらに、完全リモートで働き続ける従業員の数も、ある程度の割合で存在しているとみられる。「オフィス勤務に戻ることを強制されるくらいなら勤め先を辞める」と回答した人が4人に1人の割合でいることが、複数の調査で明らかになっているからだ。

一方、コワーキングスペースの運営企業として世界有数の規模を誇るIWGのマーク・ディクソン最高経営責任者(CEO)は、また別の考えを持っている。

在宅勤務を選んでいる人たちも、自宅や狭苦しいアパートの部屋に押し込められて働く生活を「リモート勤務の理想郷」とは思っていないはずだ、というのだ。整っていない作業環境で、家族やペットの面倒をみながら仕事をすることは、理想的とはとても言えない。

かといって、再びバスや電車に乗り、不快極まりなく、気力を奪われるような都心への通勤に毎日2、3時間を無駄に費やす生活にどうしても戻りたいと思っている人も、まずいないだろう。

ニューヨークやワシントンD.C.、ボストン、サンフランシスコなどの大都市では、オフィス勤務に戻った従業員の占める割合が前月比で30%以上増えたとの数字もあるが、ディクソンがビジネスチャンスを見出しているのは、むしろ郊外だ。

ダラスやシカゴ、デトロイトといった街の郊外では、毎日の通勤をやめ、より家に近い場所で仕事をする人が増えるなかで、実際に関連市場が成長している。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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