同協会は昨年7月に設立され、以降ガイアックスを筆頭に、理事となる企業や賛同する自治体が次々に参画、組織体制も整備され、この日、本格始動を開始した。
スタートアップスタジオとは、新たな事業や起業家に対して資金やマーケティング、人材紹介での支援をしたり、アイデアの磨き上げに力を貸したりすることを事業とする組織。こうしたスタジオ事業を手掛ける企業が複数存在するなか、各社で生まれた知見や情報を集約させるべく協会を立ち上げ、スタートアップ支援の強化を目指していくというわけだ。
顧問には、DeNAの会長でデライト・ベンチャーズのマネージングパートナーの南場智子氏と、早稲田大学のビジネススクール教授の入山章栄氏が就任。設立イベントでは、両氏によるトークセッションも行われ、日本の「起業環境」ついて語られた。
起業経験者を採用する時代が来る
入山氏は、「昔は起業というと『命懸けでやれ』という雰囲気がありました。そして一度失敗すると人生の落伍者と見られていた。でも、そういった空気感は薄れてきているんじゃないかと思います。それこそ、DeNAやメガベンチャーでは、スタートアップで失敗した人たちを雇ってくれますし、いまは失敗しても食いぶちには困らない」と、起業に対する環境が改善されてきたと指摘。
これに関して、DeNAの会長でもある南場氏は次のように呼びかけた。
「一度起業して復職する出戻りの受け入れを、大企業でもやって欲しいですね。いずれは大企業も、起業経験があるような人材を求めて採用する時代が必ず来ます。なので、何の心配もせず挑戦しましょう」
セッション後の取材でも、人材の流動性について、南場氏はこう言及した。
「自らの意思で動かない人が多すぎるんですよ。人材は企業の所有物じゃないわけで、やりたい事業がある人は会社から飛び出たほうがいいし、それで元の職場がやっぱり良かったと思うなら戻れば良い」