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2022.04.19 18:00

スタートアップスタジオ協会が始動 二人の顧問が重視する「パッション」とは


トークセッションで、イベント参加者から起業志望者へのアドバイスを求められると、入山氏は「重要なのは理論ではなくパッション」と回答。

「ビジネススクールでは理論やファイナンスの手法などを教えます。しかし起業を目指す人に効果があるのは、実際に起業している人の熱い思いに触れることではないかと思っています」と語った。

実際、入山氏が講師を務める早稲田大学のビジネススクールで一番人気の講義は、実際の起業家との対談だ。入山氏は「スタートアップスタジオ協会も、パッションが伝播する場にしたい」という。

では、その思いを持続させるために重要なことは何か。

「やりたいことをやり続けるのは当然。あとは自分と合わないVCと付き合わないことです。なかには、お金だけ出して安全なビジネスを要求する投資家もいますが、正直言ってそういう人は無視です。最近、起業家として事業を成功させた人から『ファンドをやりたいから、顧問になってもらえないか』とよく相談されます。今後はいろいろなタイプの投資家が増えてくる時代になると思います。なので、起業家は、思いが一緒であるとか、モチベーションが高いというような投資家を選んでいけばいいわけです」と入山氏。

パッションについては、南場氏もトークセッションの中で、横浜DeNAベイスターズのオーナーらしくプロ野球の名選手を引き合いに出して、その重要性を説いた。

「巨人のV9(1965年からの日本シリーズ9連覇)のメンバーである高田繁さんと、かつての大洋で活躍して殿堂入りした平松政次さんに、プロ野球で大成する人としない人の違いを聞いたことがあるのです。

高田さんは『工夫』と言った。つまり必ず訪れるスランプの時に試行錯誤できるかどうか。それはビジネスと一緒です。そして平松さんは『思いの強さ』だと、つまりパッションですよね。世の中をこう変えたいとか、集まってくれたチームのメンバーへの思いとか、どんなパッションでもいいですが、やっていることへの思いの強さがやっぱり大事なのです」

期せずして両氏から発せられた「理論よりもパッション」。その言葉に、オンラインで設立イベントに参加した経営者や未来の起業家たちも心を強くしたに違いない。

文・撮影=露原直人

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