とはいえ、アンドリュースは恐竜の発掘調査のためにゴビ砂漠に向かったわけではありませんでした。当時、ヨーロッパや中央アジアを人類の起源の地とする説が有力であり、それを証明するために、40名の探検隊員、75匹のラクダ、そして5台の自動車で人類発祥の痕跡を探しに旅に出たのです。
波乱に満ちた探検の末、アンドリュースが発見したのは人類の起源の手掛かりではなく、数多くの恐竜の骨格や卵、巣などの化石でした。特に世界で初めて恐竜の卵の化石を発見して、持ち帰ったのも彼です。
本来なら、この嬉しい誤算からアンドリュースが初めて恐竜の化石を発見した日を「恐竜の日」とするべきかもしれませんが、その後も多くの化石が発見されたりしたためか、彼が調査探索のために北京を出発した日が「恐竜の日」とされました。
ちなみに、ゴビ砂漠はこのアンドリュースの恐竜の化石発見によって、世界各国の研究者の目が向けられることになり、以後、本格的な研究が進められていくことになったそうです。
また、アンドリュースが発見した恐竜の化石の1つが、最も知能が高いと言われている「ヴェロキラプトル」という恐竜のもの。この恐竜は、映画「ジュラシックパーク」シリーズにも登場しています。
生涯にわたり何度も探検の旅に出たアンドリュースは、危機一髪の状況に何度も遭遇し、その度に切り抜けてきました。猛獣に襲われたことも、盗賊に遭遇したこともあったといいます。
それらの勇姿から、アンドリュースは、映画「インディ・ジョーンズ」シリーズの主人公であるヘンリー・ウォルトン・“インディアナ”・ジョーンズ・ジュニア博士のモデルとも言われています。
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