アマゾンの元リクルーターで、『7 Critical Resume Mistakes to Avoid(履歴書で決して犯してはいけない7つのミス)』の著者リンジー・ムステイン(Lindsay Mustain)は、「従業員が、労働時間や働き方、労働の分量を自主的に決定できる場合は、仕事の効率がアップすることが統計的に立証されている」と指摘する。
「柔軟な勤務形態という選択肢がある場合は、生産性が向上すると同時に、労働に費やす時間も延びるのだ。リモート勤務の労働者は、オフィス勤務の労働者よりも、仕事に費やす時間が多い。さらに、ひっきりなしに邪魔が入って気が散りがちな従来のオフィス環境で働く場合より効率も上がる」
柔軟に働けると、離職率が低下する
柔軟な勤務形態が整っていると、才能のある貴重な人材をつなぎとめやすくなる。言うまでもないが、従業員が企業に求める最も重要な福利厚生のひとつが柔軟性だ。
実際、求人サイト「フレックスジョブズ」の調査では、「柔軟な勤務形態が可能な場合は、雇用主へのロイヤルティが増す」と回答した人は80%だった。また、52%の人が「現在の雇用主に、もっと柔軟に働けないか交渉を試みたことがある」と回答した。従業員が自主的に仕事に取り組めば、労働時間が増え、別の働き口を探す時間が減るのだ。
柔軟に働けると、従業員のエンゲージメントが向上する
大手世論調査会社のギャラップによると、柔軟に働けると、従業員のエンゲージメントも向上するようだ。仕事に自発的に取り組む従業員は、より積極的で活力もあり、身体的な健康状態もいい。同じくギャラップによる何十年にも及ぶ調査が示しているように、従業員が自発的に仕事に取り組めば、業績も大きく上向く。
加えて、従業員エンゲージメントの高い職場では、欠陥の発生率が40%少ない。また、常習的に欠勤する人の割合も41%減るほか、収益性が21%上昇するといった、さまざまなメリットが得られるとされている。