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2022.04.06

ルルレモンが「ウェルビーイング・レポート」発表、支援や取り組みを加速

(c)lululemon

サステナブル、インクルーシブなどと並んで昨今話題のキーワード、「ウェルビーイング」。個人や企業としアクションを起こすべきと思いつつも、定義が不明瞭だったり、人によって捉え方が異なったり、いまひとつ実態がつかめないそれについて、カナダ発のブランド「ルルレモン」が、10カ国を対象とした年次調査を実施。「グローバル・ウェルビーイング・レポート」の2022年版を発表した。

同調査では、「身体的(フィジカル)」「精神的(メンタル)」「社会的(ソーシャル)」の3つの要素とそのバランスがウェルビーイングを形成するとして、独自の指標に基づいて評価し、その要因と障壁を探っている。

ルルレモンといえば、ヨガやトレーニングなど、フィットネスウェアを中心に扱うブランドだ。シックな色合いや着心地の良さでヨギーから絶大な人気を得ていたが、服装のカジュアル化やコロナ禍のライフスタイルの変化を追い風に、街着やオフィスウェアとして選ぶ人も増えている。

この数年での成長は著しく、昨年9月には時価総額でH&Mを抜き、インディテックス、ファーストリテイリングに続く世界第3位のアパレル企業に浮上。フィットネス領域の好調からも、運動による心身の健康への関心の高まり、ウェルビーイングへの注目を見てとることができる。

メンタルヘルス、社会的なつながりがカギに


2回目となる今回の調査結果では、3つの要素のうち、「精神的なウェルビーイング」の指標が昨年より向上。メンタルヘルスに対する注目の高まりと、より優れた対処法の実践が数字に表れた。一方で、世代別でみると、Z世代の総合的なウェルビーイングに課題があることが明らかとなった。


Z世代は「身体的」「精神的」「社会的」いずれの項目でも全体より低い傾向にある (c)lululemon

2021年10月-11月の調査時点ではコロナ禍も2年目となり、ニューノーマルが浸透するなか、「オフィスへの出社を再開した/再開を予定している人」のほうが、「全く再開しない人」よりもウェルビーイングな状態にあった。

また、職場や出社に限らず、世界の回答者の半数以上(52%)がコミュニティの重要性を認識し、コミュニティへの帰属意識を持つことが重要であるということに賛同。より重要性を感じている人ほど、ウェルビーイングレベルが高い傾向にあった。

調査対象となったのは、カナダ、米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、シンガポール、中国、韓国、日本の10カ国。もっともウェルビーイング指数が高かったのは中国で(75ポイント)で、日本は最下位(同61)。グローバル平均は66ポイントだった。
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編集=鈴木奈央

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