世界の坂茂が設計。名古屋のエグゼクティブが新社屋にサウナを作った理由

名古屋の企業「タマディック」の新社屋最上階にあるサウナ


タマディックはもともと従業員の健康経営に力を入れており、健康経営企業の認定指標「ブライト500(健康経営優良法人2022)」の1社にも選定されている。健康増進チャレンジと銘打ち、減量1キロにつき1万円もらえるプログラムのほか、禁煙、運動などのコースがあり、年間数千万円単位の予算をかけて社員がヘルシーに業務に向き合える体制を構築してきた。



今回のサウナの設置もその延長線上の部分もありながら、「役員や社員に必要性を理解してもらうハードルは決して低くはなく、そこは苦労したポイントのひとつだった」という。しかし、森實さんはオフィスサウナの可能性について、熱い思いを持っている。

「やはり費用対効果を定量的にまで示しきれない現状だと、オーナー企業であるからこそ実現できた側面も少なくない。今後は、このサウナがいかに社員の健康に貢献するか、社員間のコミュニケーションやクリエイティブなアイデアを生む効果があるかなどを検証し、上場企業でも投資家に説明がつくレベルの投資対象として成立させていきたい。個人の趣味に留まらないかたちで、オフィスにサウナがあることが当たり前の社会にしていきたい」


森實さん(右)と筆者。森實さんはフィンランド旅行の際にHARVIAの本社に突撃訪問したこともあるという

僕が代表を務めるサマリーもそうだが、完全リモートの企業では難しいかもしれないものの、出社、そしてそこで起こるコミュニケーションに意味をもたせることがこれからの経営に重要になってくると考えると、オフィスサウナは現実的に活用できるになり得るとは僕も思っている。

サウナに月額万単位のお金を使っている若年層も珍しくなくなってきている今日、将来的にはリクルーティングにも効果が出てくる可能性もあるのではないだろうか。

さて、今日も今日とて、僕はこれから近所のサウナに向かいます。

文・写真=山本憲資

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