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2022.03.24 18:00

「梅毒」劇的に増加中、なぜ? 性病の話を専門医に聞いてみた

心療内科医・内科医・産業医内田さやか氏


自然治癒はありえない。まずは実態理解から


自然治癒はしないと言われる「性病」。治療すれば、本当に治るのだろうか? 治療が遅れてしまうと治りにくくなってしまう、また一生完治しない病気のように考えてしまう人もいるだろう。
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「一にも二にも早期発見、早期治療が大切です。病気に応じて、内服薬や膣錠、軟膏の処方のほか、強いかゆみにはステロイドの含まれた軟膏などが処方されます。懸念事項は、どれも治療せずに放置してしまった場合のことですが、以下の3点に気をつけてほしいと思います。

1つ目は重症化しうる、2つ目は不妊症の原因になりうる、3つ目は妊婦さんの場合、赤ちゃんにも感染しうるということです。

無症状のこともあるのが難しい点ですが、体内で感染が広がり、卵管炎・骨盤内炎・肝周囲炎など重症化することが知られています。その場合は、感染した場所のかゆみ・ただれ等だけではなく、下腹部痛・発熱などもみられますので、注意してほしいですね。また、妊娠前に性感染症検査をすることで、3つ目の懸念は払拭できます。妊娠をお考えの女性は、プレコンセプションケア(妊娠前に受けておきたい検査や健康習慣)について勉強しておくと良いと思います」
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どのくらいの頻度で検査をすると良いのだろうか? 内田氏によると、最適なスクリーニング頻度は十分に確立していない。米国予防医療専門委員会(US Preventive Services Task Force:USPSTF)によると、性交渉の経験があるすべての女性に対して、淋菌・クラミジア感染症のスクリーニング検査が推奨されているそうだ。

「性感染症のリスクが高い人には、HIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎の検査も推奨されています。ご自身の性交渉の状況や頻度、妊娠を検討しているなどのご事情に合わせて、検査を検討されてみると良いのではないでしょうか」

一人で悩まない。「かかってから」ではなく事前知識を


内田氏によると、性病患者が増え続けている現状の改善のためには、性感染症についての正しい知識を身につけることが第一であるという。また、社会は、安心して検査や診療を受けられるよう、より充実した医療体制の整備が必要であるという。そうすることで、万が一感染した時、一人で不安や悩みを抱えることなく、正しく治療し支援を受けられるようになる。

筆者のまわりも含め、性感染症は「かかってから」ようやく知識を身につける人が多いが、事前にどんなものかを理解し、どこで治療を受けるのが適切かを理解しておくことは、全ての人にとって重要であると言える。

決して、一人で悩んではいけない。

文=Ryoseon Bae 編集=石井節子

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