こうした流れを受け3月14日、「一般社団法人Metaverse Japan(メタバースジャパン)」が立ち上がり、15日に記者発表を行った。
業界の垣根を越えて、最先端の情報やメタバースという世界観を共有し、クリエーターがグローバルに発信するための中核組織となることを目指す。
代表理事には、一般社団法人渋谷未来デザイン理事・事務局次長の長田新子氏と、PwCJapanマネージングディレクターで元フェイスブックジャパン執行役員の馬渕邦美氏が就任した。
長田氏は「メタバースを通じてグローバル規模で個人が輝ける社会を作り、日本の持つパワーを最大化させ、世界への発信を支援していきたい」と述べた。
提供=メタバースジャパン
理事には、パナソニック パナソニック コネクティッドソリューションズの常務・CMOやKDDIの役員、東京大学の特任教授ら7人が就任。その中の一人、慶應大学医学部教授の宮田裕章氏は次のように語った。
「ウェブ2.0の時代から3.0に移行するなか、それぞれのデータを活用しながら新しいクリエイションを行っていく、自律分散型の時代に変わり始めています。
従来の巨大プラットフォーマーだけでなく、業界関係者やクリエイターが集まり未来を創っていくことが必要とされる時期になっています。メタバースは、労働環境やゲームの中だけでなく、新しい生活空間へと繋がっていきます」
提供=メタバースジャパン
今後の具体的な活動としては、メタバース関連の有識者を迎えての定例勉強会、ワーキンググループの活動支援、7月には「Metaverse Conference」という配信イベントの開催を予定している。
資金に関しては、会員制による会費を原資とし、10以上の企業や自治体が参画予定。当面は団体のみの募集となるが、将来的には個人にも枠を広げていくという。「起業家など関心のある人にも入会しやすい組織にしていきたい」と長田氏は言う。
加えて、「一般社団法人日本メタバース協会」との違いについても言及した。
2021年に設立された協会だが、メタバースジャパンは「産官学の業界を横断している」と強調する。
「業界の垣根を越えて、新しい価値を生み出していきたい。日本のクリエイティブのパワーを世界へ、さらにダイバーシティーを重視した組織であることを強みにしています。
メタバースはボーダレスで繋がることができるため、クリエイターも容易に世界に出ていくことができます。日本人がいかに世界に発信していけるか、大きなチャンス。私たちメタバースジャパンは、個人から大企業に至るまで、ハブとなるべく活動を推進していきたいと考えています」(長田氏)