選んだ職種になりたい理由
内閣府「第4回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result4_covid.pdf
厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計表(2018)」
「統計表2 医師・歯科医師・薬剤師数の年次推移」を参照のうえ第一生命作成
コロナ禍での子供たちの「憧れ」
今回の調査では、「大人になったらなりたいもの」で「会社員」と回答した方を対象に、会社員としてどんな分野の仕事をしてみたいかを聞いてみた。
「決まっていない」という回答も見られたものの、具体的なイメージを持って「会社員」と回答している人も多く、男子の小中高全てにおいて、「科学技術・ものづくり」が1位となった。第一生命の担当者は、「民間人の宇宙旅行が実現したり、新型コロナワクチンや治療薬の開発で製薬会社が話題になったりする中、ロボット・メタバースといった最新技術や研究職などにも関心が集まったのではないか」と話している。
テレビ等を通じて、実際に医療現場で働く方々の姿を目にする機会も多かったことから、人の命を救う姿に憧れを持った子どもたちが多かったのではないのだろうか。
「会社員」としてどんな分野の仕事がしてみたいか
第一生命経済研究所ライフデザイン研究部・主席研究員的場康子氏のコメント
『「人生100年時代」のライフデザイン』(東洋経済新報社刊)など多くの著書もある、第一生命経済研究所ライフデザイン研究部・主席研究員的場康子氏は、調査から見えてきた2つのポイントに注目している。第一生命が発表したものより以下、抜粋して紹介する。
第一生命経済研究所ライフデザイン研究部・主席研究員的場康子氏
「1つ目は、子どもたちが『働きやすさ』を求めて会社員になりたいと思っている、ということです。
図表では示していませんが、会社員を選んだ理由として、全学年を通して男女ともに『働きやすそうだから』が最も多い回答でした。コロナ禍でリモートワーク、週休3日制、時差出勤など働き方の多様化が進み、両親が在宅勤務をしている姿を見て、自分もこんな風に柔軟に働きたいと感じている子どもたちも少なくないのかもしれません。
『収入がよさそうだから』の回答も用意していましたが、『働きやすそうだから』の方が上回りました。子どもたちは『収入』よりも『働きやすさ』を大切にしたいと思っているようです。
2つ目は、子どもたちの多くが会社員となって挑戦してみたい分野に『科学技術・ものづくり』を選んでいることです。
コロナ禍でオンライン社会科見学など、全国各地のものづくりの現場にリモートで見学できる機会も増えました。こうした体験により、子どもたちは直接、ものづくりの素晴らしさ、それを支える人々の情熱に触れることができるようになりました。こうしたことの積み重ねが将来の仕事として、ものづくりの仕事を身近に感じさせるきっかけにもなるのかもしれません。
これからの新しいデジタル社会を創っていく子どもたちの挑戦を尊重し、応援することが、『ものづくり立国』日本の復活のカギになるのではないでしょうか」