経済・社会

2022.03.11 08:30

地球規模の試練に直面したときに、企業リーダーがなすべきこと

Photo by d3sign/ Getty Images

ロシア軍の戦闘機や戦車が、平和だった独立国家ウクライナを攻撃する映像を目にすると、絶望感が湧いてくる。その根底にあるのは、米国や他の国々がこの戦争に巻き込まれたら、あるいは、ロシアのプーチン大統領がますます錯乱して核兵器に手を出したら、いったいどうなってしまうのかという恐怖だ。想像するだけで背筋が凍り、その恐怖を何とかして遮断したいと考える。

ウクライナのことを思い、祈りを捧げているが、かの地で起きている事態をコントロールすることはできない。軍備を提供する国もあれば、募金をしている人もいるかもしれない。何が起きているのかを広め、人々に状況の把握と警戒を促そうとする人もいる。

現時点で私たちにできるのは、自分にとって可能な行動に力を入れることだ。惨状を目にしたとしても、世界がわずかでも良い方向に向かうよう、人々がほんの少しでも幸せになれるよう、努力することはできる。小さなところから始めればいい。

立ち上がって人々を導く


2年におよぶ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで、孤独が伝染病のように広まった。メンタルヘルスの問題やうつ症状を抱える人、アルコールや薬物に手を出す人が急増した。世の注目を集めようとするメディアは、恐怖心や怒り、憎しみをあおっている。その結果、誰もが心を乱され、怒り、敵対心を抱くようになった。

小さなことから始めよう。私たちは、目覚めている時間の大半を仕事に費やしている。企業には、人を助ける力が備わっている。企業経営者はいまこそ立ち上がり、人々を導くべきだ。従業員を気遣い、彼らに声をかけ、耳を傾け、手を差し伸べ、このつらい時期を乗り越えられるよう支えよう。

いまの気持ちを確認する


第3次世界大戦の脅威が迫りくることなど、そうそうあるものではない。これから起こりうる事態の重大さを受け入れ、整理するのは難しいものだ。多くの人が、仕事になかなか集中できずにいる。

さまざまな出来事が立て続けに起こるなかで、ありふれた日常業務に向かおうとしても気もそぞろで、奇妙な気持ちがするからだ。Excelのスプレッドシートの入力も、会議への出席も、取るに足らない無意味な行為に思える。それでも、世界は先へと進んでいく。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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