日本ラグビー発展の鍵は地方に。本拠地「オール静岡」の期待に応えたい

ジャパンラグビー リーグワン「静岡ブルーレヴズ」の五郎丸歩CRO

新リーグ「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(リーグワン)」では、昨年までのトップリーグから仕組みが変わって、「ホスト&ビジター」制で試合が行われることになりました。各チームがホストゲームの興行権を持って、運営しています。

これはラグビー界としては画期的なことで、クラブが収益を生み出す事業化の取り組みは非常に前進しています。

その反面、普及のために大切な地方での開催がほとんど無くなってしまいました。地方でラグビーをやっている子どもたち、ファンが残念がっている声は現場レベルにも降りてきています。

日本のラグビーを発展させていくためには、やはり地方にも目を向けてやっていく必要性があるのではないかと感じています。

ディビジョン1は12チーム中11チームが大都市圏のチームで、地方はレヴズだけです。私たちが成功できれば、東京一極になってしまっている現在のリーグが変化する余地が出てくると思っています。

東西に長い静岡 エリア毎に目標設定




静岡県内でも、私たちが中心に活動してきた西部エリアでは知名度が少しずつ上がってきています。一方で静岡市がある中部、熱海などの東部では普及活動も含めて、地道に活動をしていくほかありません。

中部エリアでは3月27日にIAIスタジアム日本平で初めてリーグ戦を開催しました。前週の20日・エコパスタジアムの試合は新型コロナの影響で中止になってしまいましたが、ホストゲーム2連戦の予定でしたので、プロモーション活動にもかなり力を入れて取り組みました。東部にはリーグワンができる規模のスタジアムが無いのですが、オフシーズンの合宿などで地域の方々との連携を図っていけたらいいなと思っています。

Jリーグ・清水エスパルスのホームスタジアムでも


IAIスタジアムは、Jリーグの清水エスパルスがホームスタジアムとして使用している会場です。昨シーズンまで「ジュビロ」と名乗っていた私たちのチームがそこで試合をすることは、ハードルが高いんだろうなと覚悟していました。しかしエスパルスさん、静岡市はどちらも非常に前向きに捉えてくださっていました。

私もスタジアムに何回も足を運んで、色んな方と話をしました。ラグビーを開催するデメリットとしては「芝が荒れてしまう」という懸念がやはり大きいようです。しかもIAIスタジアムはJリーグのベストピッチ賞を何回も獲っているような、すごくきれいなピッチです。しかしグラウンドキーパーの責任者の方が、「ラグビーをやった後でもきれいに復帰させるのが我々の仕事だ」と仰ってくださって、非常にポジティブなスタンスでした。これも本当にありがたかったです。

IAIスタジアム日本平
IAIスタジアム日本平(Photo by Kaz Photography - JL/Getty Images for DAZN)
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写真=BLUEREVS LTD. 編集=宇藤智子

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