価格改定、ビラ配り、場内放送。五郎丸歩「クラブ経営者への道」

(右)静岡ブルーレヴズの五郎丸歩CRO


シーズン前は、会社設立の挨拶回りやスポンサー営業などで動き回っていました。

あと、メディアの露出にも力を入れてきました。2015年と2019年のワールドカップをきっかけに色んな方にラグビーを知っていただきましたけれども、ヤマハ発動機ジュビロ時代も含めて、一クラブとしての実績はまだまだこれからです。ヤマハなら何となく分かってもらえても、「静岡ブルーレヴズって何?」というところからのスタート。メディアの力もお借りしながら、しっかりと情報を発信していかなければいけません。

NHK「サンデースポーツ」でも1月23日に大きく取り上げていただき、30日の試合でも「それを見て来たよ」と声をかけてくださる方が多かったです。

「ビラ配りをしていた姿がすごく衝撃的だった」といったご感想もかなりありました。でも、私の中に「ビラ配りが嫌」という感覚はありません。ファンの獲得、定着にはまだ課題がありますし、これからもそういった地道な活動をやっていきたいと思います。

ラグビー・五郎丸歩氏「私の中にビラ配りが嫌という感覚はありません。」

価格も改定。「なぜ上がったか」に応える企画を


今回、私たちはチケットの価格を上げました。ヤマハスタジアム・レヴズベンチ側(南スタンド)指定席の大人前売券が2500円から3000円に、メインスタンド中央寄り・SS指定席は5000円から8000円になりました。価格が「なぜ上がったか」をファンの方々にしっかり感じていただける状況にしなければいけません。

現状は集客が厳しくて、予算的に演出も抑えざるを得ません。スタジアムに来て「なぜ値段が上がったんだろう」と疑問を残して帰る方もいるのでは?という心苦しさがあります。


ヤマハスタジアム・SS席からの眺め

そんな中でも手応えを感じた新企画が、場内放送「Revs Radio」です。「レヴラジ」とも言っています。

新たなシステムを使って始めたのですが、評判がかなり良いようです。スマートフォンを持っている方なら、アプリのダウンロードもせず、QRコードを読み込めばそのまま聞ける仕組みです。ちゃんとした解説もたまに入れつつ、世間話に近いような内容ですが、それが聞いていて非常に楽しいらしいのです。私も開幕戦では放送に入りました。

コロナがいつ収束するかということもあって、今はまだ皆さんへ気軽に「来てね」とは言えません。しかし、オンラインで色々なことが済む時代でも、ラグビー観戦にはライブならではの魅力があります。

エンターテインメントとしての可能性もこれから広がっていくと思うのです。

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写真=BLUEREVS LTD. 編集=宇藤智子

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