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知られざる「IT拠点ウクライナ」の企業が直面する危機的状況

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ウクライナの工業地帯の中心に位置するハリコフ市(Kharvic)は近年、テクノロジー企業のアウトソーシングや現地での採用拠点となった。しかし、ロシアとの国境からわずか30マイル(約48キロ)の距離にあるこの街の人々は、今やロシアとの軍事衝突の脅威に直面している。

ナスダック上場企業の「シンプレス(Cimpress)」は500人の現地スタッフらに国外もしくは、より安全な国内の西側に避難することを提案した。

また、イスラエルのウェブサイト構築企業「Wix」は、1000人の現地スタッフとその家族にトルコへの一時的な避難を申し出たほか、ウクライナのアウトソーシング大手「Ciklum」や、サンフランシスコを拠点とするスタートアップの「AppsFlyer」など、多くのハイテク企業が現地スタッフの安全を守ろうとしている。

ウクライナで約1000人を雇用するキプロスのオンラインギャンブル企業「Parimatch」の共同CEOのMaksym Liashkoは、「従業員が今すぐどこかに移転したいと言えば、私たちは支援する用意がある」と語る。

「ベラルーシやカザフスタンでは、1週間以上もインターネットが接続ができなくなることがあったが、このような状況はウクライナでも起こり得る。従業員がどこにいてもオンラインで仕事ができるようにする計画を立てている」と、Liashkoは述べた。

テック系企業のスタッフ移転の動きは、米国などがキエフから大使館員を避難させ、KLMなどの一部の航空会社がウクライナへのフライトを停止したことを受けて高まっている。ロシアとの間の緊張関係は続いており、ホワイトハウスは2月16日、クレムリンが一部の部隊を撤退させたと主張しているにもかかわらず、ロシアがさらに7000人の部隊を国境に配備したと発表した。

また、イスラエルのハイテク企業の団体「Israeli Hi-Tech Association」のマリアン・コーエン会長も、現地で約3万人を雇用するイスラエルのテクノロジー企業に大きな影響が及ぶことを懸念している。

テルアビブに本社を置くWixはコメントを拒否したが、シンプレスの子会社の「VistaCreate and Depositphotos」のシニアバイスプレジデントは「私たちの第一の責任は、メンバーの安全を確保することで、いかなる場合でも妥協しない」と述べた。

また、ニューヨーク証券取引所に上場しているイスラエル発のクラウドソーシングサイト「Fiverr」は、キエフ在住のスタッフを国外に避難させる計画を立てている。

Fiverrの広報担当者は、「我々は、キエフの現地チームやウクライナのメンバーと常に連絡を取り合っており、状況がエスカレートした場合に確実に支援できるよう、体制を整えている」と述べた。

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編集=上田 裕資

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