「足の生えたロボットを売ることは、私の38年間のキャリアの中で、最も楽な仕事と言える」と、現在55歳のパリクは話す。
2月初旬、米国国土安全保障省(DHS)は、国境警備を支援するために、ゴースト社の犬型ロボットを導入すると発表した。この近未来的な四足歩行ロボットの重さは約45キロで、ビデオカメラや暗視センサーを装備し、あらゆる地形で使用できる。
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— Ghost Robotics (@Ghost_Robotics) November 25, 2021
この契約でゴースト社は、一躍脚光を浴びることになったが、2015年創業の同社は、他にも25以上の政府機関を顧客としている。パリクは多くを語らないが、同社はフロリダ州のティンダル空軍基地にもロボットを提供している。
ゴースト社のVision 60と呼ばれるロボットの基本モデルの価格は15万ドル(約1700万円)で、オプションで特殊なセンサーなどのアドオンを取り付け可能という。フォーブスは、同社の売上高を3000万ドルから4000万ドルと推定している。現在は、売上のほとんどを政府機関が占めているが、パリクは、ロボットのコストが下がれば、原子力発電所や工場の安全検査でも利用され、最終的には企業顧客がメインになると考えている。
インドからの移民であるパリクは、友人を通じてペンシルバニア大学のDaniel Koditschek教授のラボで博士号の取得を目指していたAvik DeとGavin Kenneallyと知り合い、2015年にゴースト社を設立した。
「彼らは、当時グーグルが所有していたボストン・ダイナミクスよりも優れたロボットを作れると信じていた。しかし、私個人は莫大な資金力のある彼らに勝てるはずがないと思っていた」とパリクは当時を振り返る。
四足歩行ロボットの「Spot」で知られるボストン・ダイナミクス社は今もなお、ゴースト社よりはるかに規模が大きい企業だが、パリクの会社も政府機関から高い評価を獲得している。