ビジネス

2022.02.16

「サステナブル・リカバリー」を加速するための3つの条件

(c) Siemens AG


市場におけるテクノロジーの変化に対応するため、私たちは従業員に継続的な学習の機会を提供しています。仕事をしながら家族を養い、なおかつ講座を受ける時間を確保するのは簡単なことではありません。しかし、10万点以上のデジタル教材を揃えた当社のオンライン学習プラットフォームを利用すれば、迅速かつ手軽にスキルを身に着けることができます。

また、私たちは、WEFやケンブリッジ大学などの組織と提携して、将来のスキルやテクノロジーがどのように人々を補完し、力を与えることできるかを明らかにする研究を行っています。従業員と協力して進めているある取り組みでは、4IRテクノロジーで製造業の従業員の日常業務をサポートするだけでなく、67歳の定年まで年齢を重ねても同じ業務を続けられるような方法も研究しています。

3. 世界のエコシステムの強化


取り組みの強化が必要とされる最後のトピックは、グローバルな協力関係です。

今こそ、世界が一つになって取り組むべきです。人類が直面している問題は、どのような組織、セクター、国であっても、単独で取り組むには規模が大きすぎます。世界のエコシステムが協力して、革新的なソリューションを開発すること、そして、カーボンプライシングなどの分野で各国が共通のアプローチを推進し、テクノロジーやスキルの開発に投資することも必要です。

既に多くの政府が、サステナブル・リカバリーに向けたデジタル化と脱炭素化の重要性を認識し、景気刺激策においてもそれを重視してきましたが、そのペースを上げる必要があります。各国政府はグリーンテクノロジーの導入を促進し、産業界と協力して新技術の開発を加速していかなければなりません。

実際のところ、我々に残された時間はわずかです。国連の気候変動政府間パネル(IPCC)は、気候変動が深刻化していると最新レポートで警告しています。ただ気候変動の将来的な方向性を決定づけているのが人間の活動であることに変わりはないとも述べており、これは希望がまだあることを示しています。

サステナブル・リカバリーを実現するためのまたとないチャンスはまだ残っています。今こそ、言葉を行動に移すときなのです。

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Roland Busch, President and CEO, Siemens AG

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