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2022.02.16

「サステナブル・リカバリー」を加速するための3つの条件

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(c) Siemens AG


サプライチェーンの透明性を確保しないことには、レジリエンスを向上させたり、サステナビリティの問題に対処したりする能力が限定されてしまいます。平均すると、製品の二酸化炭素排出量の90%は生産時ではなくサプライチェーンで発生しています。製品のカーボンフットプリントを効果的に削減するには、企業はこの分野でも重点的に取り組む必要があるのです。

ここでも解決策はテクノロジーです。二酸化炭素の排出場所を明確にするためにブロックチェーンなどのデジタルツールを適用すれば、組織同士が協力してバリューチェーン全体の排出量を追跡・管理することができます。同様に、デジタル技術を適用することで企業はサプライチェーンの透明性と柔軟性をリアルタイムで高めることができ、潜在的な障害や混乱に積極的かつアジャイルに対応することができるようになります。

サステナビリティへの道のりは容易ではない


昨年起きたエネルギー不足の際には、再生可能エネルギーへの移行の難しさを垣間見ることができました。変動する供給と分散型エネルギー源という複雑な状況を管理するには、AI(人工知能)などのデジタル技術と革新的なストレージソリューションを組み合わせる必要があります。

これを機能させるための仕組みが、ドイツのブンジーデルという小さな町で作られています。私が初めてこの町を訪れたのは2016年でした。かつては産業が衰退し、失業率が高い町でしたが、現在ではデジタル技術やストレージソリューションが支える太陽光発電、風力発電、バイオマスといった再生可能エネルギー産業で栄えています。テクノロジーの変化を取り入れることによって、コミュニティの運命を逆転させられることを示す力強い一例です。

2. DX推進に必要なスキルの確保


持続可能で包摂的なリカバリーを実現するためには、人々が将来的に成功を収めるために必要なスキルを習得できるようにしなければなりません。

パンデミックの発生前においても、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって仕事の世界や必要とされるスキルが変容していました。パンデミックの発生以来、数百万人もの人々が仕事を失い、デジタル化が進み、スキルの格差が拡大しています。

技能開発への投資は、経済だけでなく個人にも恩恵をもたらします。WEFとPwC(プライスウォーターハウスクーパース)の研究では、スキルの格差が最も大きい組織が、最も利益を得る可能性があるとしています。同研究の経済モデルでは、アップスキリング(技能向上)とリスキリング(新たな学び・研修)、さらに安価な労働力からテクノロジーを駆使した仕事への移行により、GDP成長を押し上げる絶好の機会を得られることが明らかになりました。
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文=Roland Busch, President and CEO, Siemens AG

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