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2022.02.08 06:30

衛星画像のスタートアップICEYEが150億円調達、鹿島建設も出資

(c) ICEYE

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フィンランドのアールト大学の学生だったラファル・モドルゼフスキ(Rafal Modrzewski)とペッカ・ラウリラ(Pekka Laurila)が、「ICEYE(アイサイ)」を共同創業したのは2012年のことだ。2人は、在学中にレーダーを照射して画像を取得する合成開口レーダー(SAR)技術の開発に関わり、それを小型衛星に組み込んだ。
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SAR衛星は、レーダーを使って非常に高い解像度で地表を撮影することが可能で、その解像度はより多くの衛星を投入するにつれて高くなる。さらに、SAR衛星は昼夜を問わず地表の様子を捉えることができ、雲に邪魔されずに撮影が行える。

例えば、ハリケーンのような災害が発生した場合に、同社の衛星は地上の状況を検知し、政府機関に提供することができる。

フィンランドに拠点を置くICEYEは2月3日、シリーズDラウンドで1億3600万ドル(約157億円)を調達し、累計調達額が3億400万ドル(約350億円)に達したと発表した。
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このラウンドは、既存出資元の宇宙関連の投資会社のSeraphim Spaceが主導し、航空宇宙や防衛関連製品を扱うイギリスのメーカーBAE Systemsと、鹿島建設の投資会社のKajima Venturesが新規で出資した。

ICEYEは、創業チームの2人がフォーブスの30アンダー30に選ばれた2018年に最初の衛星を打ち上げ、その後、急成長を遂げている。同社は現在16基の衛星を軌道に乗せており、今年末までにさらに9基を打ち上げる予定だ。新たに調達した資金は、同社が自社で構築する新しい衛星と、データ事業の拡大に充てられるという。

同社は昨年5月に、1万平方キロメートルの範囲をカバーするワイドスキャン画像のサービスを開始するとアナウンスし、スエズ運河で起きた大型コンテナ船の座礁事故のような状況でも役立つデータが取得できると述べた。また、7月には、24時間ごとに地表の特定エリアの変化を検出する機能を発表していた。

ICEYEはまた、カナダのMDA社と契約し、CHORUSと呼ばれる衛星コンステレーションにSAR衛星を追加するなど、他社向けの衛星開発やハードウェア事業にも進出している。

現在32歳のモドルゼフスキは「我々は常に可能性の限界に挑戦し、誰もやったことのない製品をリリースし始めている」と述べている。ICEYEは現在400人の社員を世界各地で雇用しており、2020年から2021年にかけての収益の伸びは約400%に達したという。

「この成功を可能にしたのは、世界中で懸命に働くチームの努力だ」とモドルゼフスキは述べている。

翻訳=上田裕資

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