ビジネス

2022.01.30 07:30

「代替タンパク質」大手がカナダ企業を買収、北南米での地盤を強化


ソル・クイジーンの取締役会長マイク・ファータは、ヘンプ食品企業マニトバ・ハーベストの創業者だ。同社を売却した後、現在は消費財業界を専門にした戦略的アドバイザーで、投資家でもある。

ファータは、ブルームバーグ・インテリジェンスの最新リポートの中で、プラントプラス・フーズがソル・クイジーンを買収したことにより、植物由来食品市場の成長が全般的に加速し、今後10年以内に市場価値は1620億ドルを超える可能性があるという考えを示した。

ファータは、筆者へのメールで次のように述べた。「私たちが熱心に取り組んできたことが、今回の新たな提携を通じて実現するのを目にすることができ、心から満足している。世界は、植物由来タンパク質をさらに受け入れる準備ができており、ソル・クイジーンはそれに応える態勢が十分にできている」

今後の展望とM&Aの可能性


ソル・クイジーンの研究開発部門は現在、新製品を開発中だ。その一方で、プラントプラス・フーズは引き続き、現在のポートフォリオを強化するための新たな投資機会を模索している。とくに、同社ブランドの地理的な展開範囲を広げられるチャンスを探している。プラントプラス・フーズの目標は、垂直統合を進め、いずれはエンドツーエンドの能力を獲得することだとピントは話す。

「当社に備わった競争上の優位性としては、ADMから原材料を調達し、完成した製品をマルフリグが市場に出荷するまでの全体的プロセスを通じてイノベーションを起こせる能力が挙げられる」とピントは話す。とはいえ、プラントプラス・フーズが目指しているのは、代替タンパク質業界における競争者ではなく、業界全体の成功を実現するイネーブラー(Enabler)になることだという。

「当社は、ポートフォリオ全体で、植物由来ソリューションを提供できる可能性がある」とピントは言う。

「こうしたポートフォリオの幅広さが、市場での大きな強みとなるだろう。今後も選択肢を検討していくつもりだ。そして、チャンスを逃さないようオープンな姿勢を維持していく」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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