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2022.01.25

欧州に負けじと米が本気。西海岸の「脱炭素バブル」と3000兆円の効果

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photo by shutterstock.com

「産業革命前からの気温上昇を1.5℃に食い止めよ」。全世界がこの命題に向かって急速に動き出している。2019年末の欧州、2020年夏の中国のネットカーボンゼロへのコミットに続き、菅前首相が就任会見で2050年のカーボンニュートラルを宣言。バイデン大統領も政権初日にパリ協定への復帰を発表し、2021年4月には米国主催による気候変動サミットを開催した。

気候変動、脱炭素対応といえば欧州のイメージが強いが、米国の本気度はいかほどのものなのか。シリコンバレーに拠点を置き、業界誌などで気候変動・脱炭素イノベーションの必要性を発信し続けるデロイト トーマツ ベンチャーサポートの取締役COO木村将之氏に米国、シリコンバレーの現況や今後の見通しを聞いた。

正念場を迎える米国政府と問われる本気度


脱炭素、気候変動対応で新たな産業を起こそうとしている米国。木村氏は、「石炭産業を脱し、新産業創出を本気で狙っている。バイデン政権は選挙時に8年間で気候変動を含む2兆ドル超の投資にコミットしていた。直近11月に成立した超党派の1.2兆ドル規模のインフラ投資・雇用法案では、当初案よりも削減があったものの多額の気候変動対応関連の予算を見込む。直近5年間で支出される5500億ドルには、再エネ導入に対応する電力網の更新650億ドルや気候変動等に対応するためのインフラの強靭化500億ドル、電気自動車(EV)の充電施設の整備75億ドルを含む」と米国政府予算の大きさに触れる。

BBB法案のウェブサイトの写真
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一方で、米国政府はいままさに真価を問われているという。「現在下院を通過し、上院審議中のビルド・バック・ベター(Build Back Better:BBB)法案には、直接的な総額5550億ドルに上る気候変動・クリーンエネルギー関連プログラムが含まれていた。一方で、2021年の年末にかけて、石炭産業が盛んなウェストバージニア州選出の民主党上院議員が反対を表明したことにより、同歳出法案成立の不確実性が増した。現在、2022年第一四半期で、同歳出法案の修正案の成立に向けた調整がされているが、どのような項目がいくらの予算で盛り込まれるかに注目が集まっており、米国政府が気候変動対応でリーダーシップを発揮できるかの正念場を迎えている。」と語る。

今回の一連の騒動を受けて、気候変動対応が政治的要素を含む一過性のものなのでは?という見方について、「確かに今回のBBB法案が良い形で成立するかの影響は大きい。一方で、パリ協定後、2018年に発表されたIPCCの1.5℃特別報告書で1.5℃シナリオの場合と2.0℃シナリオの場合の経済効果の差が20兆ドルに上ると算出され、政府のみならず民間の企業を巻き込んで国際的なコンセンサスが醸成されている。今回の気候変動対応へのコミットメントは、科学的な裏付けをもった不可逆の流れとなっている」との見方を示す。

●下院を通過したビルド・バック・ベター法案における気候変動・クリーンエネルギー関連プログラム


:クリーンエネルギー導入への税控除・クレジット付与 [ 3200 億ドル ]
:自然災害に対するインフラのレジリエンシー強化 [ 1050 億ドル ]
:クリーンエネルギー技術の製造やサプライチェーンへの投資 [ 1100 億ドル ]
:クリーンエネルギー製品の政府調達の推進 [ 200 億ドル ]

出所:JETROレポート
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文=森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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