レポートによると、1億ドル以上を調達したディールの件数が153件と、昨年の2倍以上に増えた一方で、スタートアップ創業者の多くが昨年に比べて資金調達が困難になったと回答しているという。今年、欧州のスタートアップが調達した総額のうち、約600億ドルはメガディールが占めている。その一方で、アーリーステージのスタートアップによる調達額は微増にとどまった。
Atomicoのレポートによると、今年欧州のスタートアップが調達した資金総額のうち、上位10件が10%以上を占めるという。この中には、スウェーデンのEV用バッテリーメーカー「Northvolt(ノースボルト)」や後払い決済の「Klarna(クラーナ)」のディールが含まれる。また、今年は最大規模の資金調達の約半分をフィンテック企業が占めた。
「欧州のテクノロジー分野のエコシステムの進化において、今年は歴史的な年となった」とAtomicoのパートナーで調査責任者を務めるTom Wehmeierは話す。
欧州で最大規模のスタートアップは、長く続いたパンデミックの影響から脱したように見える。今年だけで新たに98社のユニコーンが誕生し、評価額が100億ドルを超えるデカコーンは26社に倍増した。欧州のユニコーンの数は今では300社を超えている。
Atomicoが調査したスタートアップ創業者の約5分の1が、去年に比べて今年は資金調達が困難になったと回答していた。女性や非白人の創業者に限ると、この割合は26%に増える。こうした中でも、アーリーステージのスタートアップによる調達額は米国と同規模になった。今年、全世界で実施された500万ドル以下の資金調達のうち、欧州企業が占める割合は2015年の25%から33%に増加した。その一方で、米国のスタートアップの割合は55%から35%に減少した。