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2021.12.05 07:30

キッチンカーを自動化。スペースX出身者がフードデリバリーの課題に挑む

ProStockStudio / Shutterstock.com

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台湾系米国人のベンソン・ツァイは2019年、高い手数料や利益の出にくさなど、フードデリバリーサービスをめぐる課題を解決しようと、当時勤めていたスペースXを辞めた。

コロナ禍によって、フードデリバリーが飲食店にとっても消費者にとっても不可欠なものになる前のことである。この1年半、デリバリー業界が3桁の成長を遂げたことで、より良いモデルを見つけたいという思いはますます強くなった。

そこでツァイは、スペースXで同僚だったエンジニア20数人やフードデリバリーサービスのエキスパート数人を誘い、自身の会社サーブ・オートメーション(Serve Automation)の傘下に新たな企業を立ち上げた。その名も「ステラー・ピザ(Stellar Pizza)」だ。

この次世代型ピザ店は、1時間にピザを100枚以上調理できる自動モバイルキッチンだ。丸いピザ生地を押しつぶして円形に整え、その上に自家製ソースとトッピングを加え、4台あるカスタム仕様の高温オーブンに入れる──という一連の作業を機械が自動でこなす。

「言うなれば、僕たちはフードデリバリーの課題を解決しようとしているロケット科学者のチームです。現行のシステムは壊れています。飲食店は満足に稼げず、消費者は高いお金を支払い、サードパーティーの配送会社はあまり利益を出せていません」と、ツァイは最近のインタビューで語っている。

「僕たちは自分たちの専門知識を応用したいと考えました。自動化したモバイルゴーストキッチンをつくる。これが僕たちの答えです」

ツァイは、こうしたモデルを本格的に展開するには今が絶好の時期だとみている。米国の飲食店業界では就業者が2019年比で約100万人減り、離職率は過去最高と、運営側にとって人手不足が最大の悩みの種になっているからだ。この問題は業界全体で値上げも招いている。

「自動化すればコストを抑えられ、質の高いメニューを手ごろな価格で提供できるようになります」とツァイは説明する。また、現在の人手不足は「従業員が自分たちは過小評価されていると感じる仕事が多い」という飲食店業界の問題も浮き彫りにしたとの見方を示し、こう続ける。

「自動化を取り入れることで、従業員たちには、同じ動作の繰り返し以上のことをするようにトレーニングをしていきます。そして、良い報酬を彼らに支払います。これは従業員にとっても、また顧客にとっても、体験の質の向上につながるでしょう」
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編集=江戸伸禎

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