ステラー・ピザはこれまでに投資家から900万ドル(約10億円)を調達し、近く新たな資金調達ラウンドも予定している。資金はチームの拡充やモバイルゴーストキッチンの増車に当てる計画だ。
自動化はたしかに目新しいものではなく、飲食店業界でそれに取り組んでいるのもステラー・ピザに限らない。だがツァイによれば、ステラー・ピザは「移動と調理」を同時にやることで、違った角度からアプローチしているという。
「これはフードトラック(キッチンカー)の進化版です。自動化を取り入れ、それをモバイル形態に落とし込んでトラックに搭載する。これこそ次の段階のフードトラックだと考えます」
ツァイがこのビジネスモデルにとくに自信をもっている理由は、彼の集めたチームと彼らがもつ車両工学の専門知識によって、低コストで軽量な自動キッチンを実現したからだ。
ステラー・ピザは2022年中に複数のキッチンカーを走らせることをめざしており、1号車は来春、路上にお目見えする見通しだ。商品は専用のモバイルアプリから購入できるようにする。地元カリフォルニア州のほか、テキサス州などもターゲット市場にしているという。
自動化は技術として成熟し、コストも下がってきているため、飲食店業界全体で導入の機運が高まっているのは間違いない。事実、米国の飲食店運営者の約半分が、人手不足への対応で向こう2〜3年に自動化を活用する方針だと答えている。
「自動化は今、とてもエキサイティングな分野です。僕たちはみな同じ問題を解決しようとしていて、全員にチャンスがあります」とツァイは話している。