スレッドアップ(ThredUp)やトレイジー(Tradesy)、ディポップ(Depop)、ザ・リアルリアルなどのリセールサイトやアプリは既に定着し、これまでに数十億ドル(数千億円)を集めている。
新たな企業の参入もある。仏ベスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)は約2億1000万ドル(約240億円)の資金調達ラウンドを完了し、米グレールド(Grailed)は6000万ドル(約68億円)の調達を目指している。
さらに、アディダスとスレッドアップ、ネッタポルテ(Net-a-Porter)とリフローント(Reflaunt)など新たな協業関係もある。これはリセール業者の強さと、直接販売業者のリセール産業への参加を示している。グッチでさえも、ザ・リアルリアル上にショップを設立しているほどだ。
信頼できる試算によると、世界の中古品ファッション市場は約1300億ドル(約15兆円)だ。リセール産業が成長し、好きなブランドの商品を所有したいと考えるジェネレーションZ世代の若いファッション顧客を引きつけていることから、老舗小売業者はリセール業界をより真剣に受け止めるようになっている。
こうした若者の顧客を今後も取り入れる必要があることから、小売業者はこのトレンドを無視することができない。
リセールの成長が加速しているいくつかの理由は次の通りだ。
1. 管理とマーケティングに優れている
中古品を販売するサイトやアプリは近頃きちんと整理され、より買い物したい気持ちになるようになっている。
2. ブランドの魅力
価値やブランドが、ブランド商品を購入するとは夢にも思っていなかった若者らを引きつけている。
3. 今買うべきという切迫感
ブランドものの数は限られているため、発見した掘り出し物は「今すぐ買うべき」ものになる。
4. スティグマ(汚名)の消失
顧客らは、友人が新たに発見した中古品を自慢する様子を目にしていることから中古ファッション購入に対するスティグマが減っている。
5. 小売企業の「お墨付き」
メイシーズ、コールズ、JCペニー、ギャップなどの小売企業大手が中古の衣類を販売していることで、中古品には本物としての印象が与えられる。
6. 広範囲における受容
リセール品の購入は世界的に受け入れられるようになり、米国やカナダ、英国、フランス、ドイツといった市場では勢いが増している。こうした市場では全て、堅調な売り上げが維持されている。